最近の上海事情 [2012年9月25日10:11更新]

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尖閣諸島問題を契機に、中国各地の都市で行われた反日デモは暴徒と化して、破壊や略奪騒ぎとなった。

そんな中国の上海市に9月21日から、二泊三日の予定で観光に訪れた一行があり、無事帰ってきたので話を聞いた。既に反日デモは政府によって鎮静化しており、領事館の周辺にはバリケードも残っていたが、市内はいたって静かだった様子。

上海で会社を経営している、日本人の友人の案内で上海市内を観光したとのことだが、バスやタクシーから見た日本人経営の飲食店は、日本語の看板を大きな布で隠していたのが印象的だったようだ。

しかし食事する店では全て個室を利用し、土産物を購入する際は余り値切らず買い物をするように、また日本語の使用は極力避けるよう、ガイド役の友人からは事前に注意されていた模様。

中国は富裕層も増えてはいるが貧富の差が極端に激しく、特に日本企業に勤めていた中国人と、中国企業に勤務する労働者の所得格差が大きく、日頃からの不満がかなり鬱積していた。

そこで彼らの不満を発散させるため、今回の尖閣諸島問題を政府が上手く利用したと、現地の中国人も語っていたようだ。

マスコミは、1000隻の漁船が尖閣に向けて出港した、とのニュースを流していたが、たまたま禁漁明けに多数の船が一斉に出港したのを、相変わらず裏付けも取らず報道したようで、双方がかなり過剰に報道していた点も指摘されていた。