別府市長の「代理人」に新疑惑(1)ゴミ処理事業にも関与 [2011年4月25日13:06更新]

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(11年4月号掲載)

大分県別府市のゴミ処理施設「藤ヶ谷清掃センター」本紙は2月号から大分県別府市(浜田博市長)の大型商業施設に関連した「市長の代理人」疑惑について報じてきた。

ところが今度はこの代理人が、別府市と周辺自治体が共同で運営しているゴミ処理施設の業務を委託された会社の設立にも、深く関与していた疑いが新たに浮上した。

さらには「暴力団幹部も関わっており、『処理施設に絡む利権に命をかけている』と話していた」との証言も。

この会社は事業者としての条件を満たしていなかったにもかかわらず、浜田市長が「特例」として押し切り、強引に委託契約を結んだ経緯がある。それだけに浜田市政のあり方が、24日の市長選を前にあらためて問われることになりそうだ。

【編注】同市長選は大接戦の末、浜田市長が約1400票差で4選を果たした



 

市長の代理人疑惑は、別府市中心部の市有地に誘致した大型商業施設「ゆめタウン別府」の施設管理などの関連業務を地元企業に委託する際、「市長と極めて近い」と称する有限会社X社の社長が仲介。複数の企業から多額の紹介料などを受け取っていたというもの。 

浜田市長は3月議会の中で「X社長は多くの支持者の中の1人」と認めたが疑惑については「承知していない」などと答弁していた。

事業所乗っ取り  

X社長をめぐる新たな疑惑の舞台となっているのは別府市と杵築市、速見郡日出(ひじ)町で構成する「別杵速見地域広域市町村圏事務組合」(管理者=浜田市長)が運営するゴミ処理施設「藤ヶ谷清掃センター」(別府市、写真)、そして同センターの焼却炉運営業務を広域圏組合から委託されている「別府環境エンジニアリング」(同市)だ。

同センターは別府市などの家庭ゴミを焼却処分する施設として1978年から稼働している。老朽化した施設を同じ敷地内で建て替えることが決まっており、2013年度中に完成する予定。維持費などを含めると総額300億円に上る、ビッグプロジェクトである。 

焼却炉の運営は三菱系列の「九州重環オペレーション」(長崎市)別杵事業所が行ってきたが、広域圏組合は昨年4月、同事業所幹部が設立した別府環境社と新たに契約を結んだ。新施設運用開始までの4年間、九州重環社の時とほぼ同じ年額約1億6000万円の委託料で請け負う内容だった。 

ところが、複数の関係者が口をそろえて訴える。「新会社設立は事実上、九州重環別杵事業所の『乗っ取り』だった。これにX社長、そしてある暴力団幹部が密接に関与した。そして社内は今、とんでもないことになっている」

(続く)