添田町政 宿敵排除で県主導へ(1)リスク冒して出馬 その裏に・・ [2010年10月20日14:00更新]

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(10年9月号掲載)

寺西明男氏の事務所開きの様子(8月8日)40年近くに渡って「独裁政権」が続いた添田町。15年ぶりに行われた8月22日の町長選では、県出身の前副町長・寺西明男氏(写真中央)が初当選。前町長の山本文男氏(贈賄罪で起訴)に対し町民は「NO」を突き付けた形となった。 

町を二分する騒動の末に新体制を選択した添田町。麻生渡知事と「犬猿の仲」とされた前町長の落選で、県関係者からは「今後は県主導で改革が行われるだろう」との指摘が出ている。

県、すなわち麻生知事の思惑とは何なのか─。 



 

寺西氏2989票、山本前町長2495票。刑事被告人による町政を続けるのか否か。全国的な注目を集めた出直し町長選だったが、結果はあっけなかった。「これで町が笑い者にならなくてすむ。安心しました」(ある町民)。

県町村会を舞台とする贈収賄事件で山本前町長が逮捕・起訴されたのは今年2月。だが山本氏はその後も町長に居座り続け、一部住民が解職を求めてリコール運動を展開する事態に。怪文書がばらまかれるなど町長擁護派との対立が鮮明となった。

山本氏は住民投票実施が決まった7月にようやく辞任。出直し町長選であらためて信を問うことになったが、町民は「町政刷新」を選んだ形となった。 

麻生知事が副町長に与えた任務  

「今回の出直し町長選には県も注目していた。思惑通りの結果に麻生知事も胸をなで下ろしているはずです」

こう語るのはある県関係者だ。「これからは寺西氏と連携して県主導、つまり知事の意向に沿って改革が進められるでしょう」 

 

寺西氏は県自然環境課長や大阪事務所長を務め07年4月、添田町副町長に就任した。

「この時、寺西氏は麻生知事から『重要な任務』を帯びていた。それは、知事とは犬猿の仲である山本町長(当時)とのパイプ役となること、もう1つはできるだけ早く町長に引導を渡し自らがその後釜に座ることだった」(前出県関係者)。 

「地方政治の象徴」として県町村会長、全国町村会長を務めた山本氏は麻生知事のことを嫌っていたとされる。「強烈な自負心を持つ山本氏を抑えることができず、知事にとって彼はまさに目の上のコブだった。

寺西氏は知事の意向を汲んでうまく対応し、山本氏の信頼も得て勇退後の後継者に内定していた。ところが想定外の贈収賄事件で町長選が早まってしまった」(同)。 

 

出直し町長選では会社員の山本文隆氏がいち早く出馬を表明。もし彼が勝利すれば、添田町政は県の影響下からいったん離れる可能性も出てくる。

「県としてはそんなことは許されない。だから『裏切り者』『町長のアシスト役では』などと批判され、2新人が共倒れとなるリスクを負いながらも寺西氏は3番手として名乗りを上げざるをえなかった。

ちなみに今回、寺西陣営は地元選出県議らの手厚い支援を受けたが、その裏には当然ながら、麻生知事の強い要請があった」(同)。 

(続く)