(08年6月号掲載) 県有地との等価交換の妥当性などについて質問する県会議員に対し「手続きは適正、妥当だった」などと答える県側。だがその明確な根拠は示されずお互い平行線のまま。疑惑が解消されたとは言えず、「消化不良」の感は否めない。 一部のマスコミは「県や与党議員は幕引きを図ろうとしている」と指摘するが、今回浮き彫りになった等価交換の問題点は依然残された形。今後、そのチェックのあり方があらためて問われることになりそうだ。 用地問題については西日本新聞が「不可解な『等価交換』 優良県有地と塩漬け地」(2日付朝刊)と題し大きく報道。マスコミの注目が集まる中、岩元一儀議員(民主・県政クラブ)が執行部を追及した。 今回の契約では、お互いの物件に何らかの欠陥があった場合に損害賠償を請求できる「瑕疵担保責任」を免責する項目が設けられている。この点について麻生知事は「県が一般的に等価交換する際にはこういう条項を設けている」と説明。 3月議会で知事が「訴訟の可能性も検討したい」と答弁したことについて岩元議員は「免責条項によってできないのではないか」と質問。知事は「県では例がないが、免責条項がありながら損害賠償請求を認められた判例が過去にある」と答弁。「どのような損害が生じたか、明確にする作業を進めている」と、前所有者に対して損害賠償を請求する意向に変わりがないことを示唆した。 委員会(同月6日)では同じく県政クラブの川崎俊丸議員が「等価交換は妥当だったのか。工事が中断している以上、重大な損害を発生させたのではないか」と質問。県側は「周囲に影響や健康上の被害は出ていない」などと答えた。 また川崎議員は00年に土地所有者側から出された「嘆願書」と県が作成した「監視指導課レポート」(本紙既報)を踏まえ「産廃投棄を事前に知っていたのでは」と追及。県側は「それは環境部によるもので、企画振興部は知らなかった」と答え、情報共有が上手くいっていなかったことを事実上認めながらも「地中については調査しておらず、産廃埋設の事実は知りようがなかった」と説明。想定内の答弁に終始し、議論はかみ合わなかった。 一方、9日には一部県議が前原市の現地を視察、「確かに、交換の妥当性に疑問が残る」と語る議員も。だがあるマスコミ県政担当記者は冷ややかだ。「何を今さら…という感じ。この視察をもって『幕引き』にしたいのがミエミエです」 視察を提案したのはある自民党議員という。3月議会でこの問題を取上げた、言わば火付け役の同党だが今議会では「党内の申し合わせによって」(議会関係者)質問しなかった。県も含め、早く数々の「疑惑」に終止符を打ち、事態を収拾させたい―という意図が透けて見える。 だが、果たしてこれで問題を終わらせていいのか。 県有地の等価交換は、議会のチェックを受けない。そのため実態や妥当性は不透明。今回は地質調査をきっかけにたまたま俎上に載ったわけだが、そうでなければ県民が知ることもなかったはずだ。 川崎議員はこの点についても質したが、県側は「地方自治法に基く」とし、関連条例の改正については「慎重であるべき」と消極的な姿勢を示した。 しかし現実に問題が発覚した以上、その透明性に疑問符が付くのは明白だ。「疑惑の温床」になりかねず、何らかのチェック機能を持たせる必要があるのではないか―県の答弁がこうした不信感を晴らすものだったとは到底言えないだろう。
4月号から本紙で報じてきた「前原ICリサーチパーク用地」の産廃不法投棄問題をめぐり、県議会6月定例会で県と議会の間で舌戦が繰り広げられた。
「契約手続きに問題はなかった」。本会議の一般質問(6月4日)で、質問に対して淡々と答える麻生渡知事。従来通り、知事は土地交換の正当性を主張した。
リサーチパークをめぐる一連の疑惑は「等価交換」という手法の問題点を浮き彫りにしたと言える。
県議会での攻防「消化不良」 等価交換の問題点浮き彫り [2008年6月30日08:36更新]
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県側は「問題ない」の一点張り
産廃情報共有 うまくいかず
火付け役の自民 今回は質問なし
チエック機能必要

