知事・県が「虚偽答弁」!? 前原リサーチパーク用地問題で [2008年5月20日16:05更新]

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(08年5月号掲載) 

福岡県庁「前原ICリサーチパーク(仮称)」の用地から廃棄物の不法投棄が見つかった問題 で、用地に廃棄物が捨てられていたことを県が事前に知っていたことが、本紙が入手した資料で明らかになった。 

また、県有地と等価交換契約を結ぶ際「瑕疵があってもお互いに賠償請求はできない」との一文が盛り込まれていたことも発覚。3月議会で県は、質問に対して「事前に不法投棄は知らなかった」と答弁、麻生渡知事は「損害が確認できたら訴訟を検討したい」と答えていたが、いずれも虚偽答弁である疑いが強まった。

不透明な土地交換の経緯とともに、今後議会で追及されるのは必至の情勢となった。          



知事宛ての嘆願書

「自社の土地に無断で土・砂利採取および産業廃棄物の処理を行っている」

こう書かれているのは、県が取得した用地の前所有者であるA社が麻生知事宛てに出した2000年8月8日付の行政指導嘆願書である。

A社は、自社所有の土地に隣接してリサイクル業を営む庄野崎徹二さんが「許可なく廃棄物を不法投棄している」と指摘。「砂利採取許認可取消等、罰則の行政指導を至急行っていただきたい」と求めた。

この嘆願書を受け、県は同月9日付で「監視指導課レポート」を作成。翌10日には同課職員らが現地調査を行って残土やがれきなどを確認。庄野崎さんに撤去するよう指導した。

だが、庄野崎さんは「廃棄物ではなく、自分が残土から選別し取り出した物」と反論。この直前にリサイクル施設の使用目的の変更を申請したが県側が受け取らなかった(本紙既報)こともあり、訴訟沙汰となった。 

不法投棄知っていた

県は06年7月、A社所有の土地約25ヘクタール(左地図参照)と県有地7カ所とを等価交換して取得した。

昨年10月、住民から「廃棄物が捨てられている」との情報を得て調査した結果、環境基準値を上回るヒ素やフッ素などが検出された。

この調査結果をめぐり3月の県議会で「事前に知らなかったのか」などと追及された県側は「まったく知らなかった」と答弁。だが実際には00年の段階で不法投棄について調査し、現地で確認していたわけだ。 

当時調査した場所は今回発覚した不法投棄場所と隣接しており、嘆願書は「残土の下にも産業廃棄物が埋まっている可能性がある」と指摘している。

県側はこれらの事実を知りながら等価交換し、その上で議会では「知らなかった」と答弁したことになる。

  知事の「虚偽答弁」

「県有地と交換した土地から廃棄物が見つかったことは県民の財産に損害を与えたことになるのでは」と3月議会で追及された際、県側は当初「損害が生じたと思わない」と"強弁"。麻生知事は最終的に「相手の瑕疵が追及できる損害が確認できたら訴訟を検討する」と答弁した。 

だが、本紙が入手した「土地交換契約書」(06年7月4日付)には以下のような1文がある。

第11条 甲(福岡県)及び乙(A社)は、この契約締結後に交換物件に数量の不足その他隠れた瑕疵を発見しても、損害賠償の請求または契約の解除をすることができない。

本紙は先月号で「不法投棄について前所有者に事情を聞くこともせず、責任を追及しようとしない県の対応は不可解」と指摘した。現実には、不法投棄などの瑕疵が見つかってもその責任を求められない契約になっていたのだ。不可解な対応も、ある意味当然だったわけである。

3月議会でこの問題を追及する際、県議らは当然ながら契約書を提出するよう県に求めた。だが県はさまざまな理由を付けて結局出さなかったという。「契約内容が表沙汰になってはまずい」と、意図的に隠そうとしたと言うほかない。

こうなると、知事の「訴訟を検討する」という発言は、契約内容を無視・隠蔽しようとした、「虚偽答弁」の疑いが生じてくる。なお、この契約は麻生渡知事名で結ばれている。「内容を知らなかった」で済まされるはずもない。

前述の通り、この土地に廃棄物が埋まっていることを県側が事前に知っていたことは明白。にもかかわらず契約の段階で、損害賠償請求権を放棄していたわけである。

 

なぜそのようなことまでして県有地と等価交換したのか。なぜその事実を隠したのか。これらを指示したのは誰なのか―。県民に対する背任行為としか言いようのない一連の問題について、きちんと説明する義務が県、そして知事にあることは間違いない。