(07年12月号掲載) 予定地(現JA福岡市東グリーンセンター)は駐車場のスペースがあまりなく、国道をはさんで近くに借りる予定だが、周辺道路の渋滞を招く可能性が高い。また小学校への通学路の脇にあり、車の出入りの際に安全上の問題があるなどの理由からだ。 だが住民らが反対する根底には、JA側による事前説明が適切になされたとは決して言えない状況がある。JAは「建設に関してはできるだけ地元の要望を受け入れたい」と話すが、関係を修復するにはさらなる対話の場が必要となりそうだ。 「(葬儀場の建設は)すでに決定事項です。今回をもって説明会を終わりにさせていただきたい」。12月6日に開かれた、JAによる4回目の住民説明会。 「今後はわれわれの声を一切聞かないというのか」。多くの住民がそう受け取った。「これでは話し合いではなく、ただの『決定通知』だ」 JAが新設を計画している葬儀場は「三宅やすらぎ会館(仮称)」。三宅2丁目のグリーンセンター跡地約1100平方㍍に3階建て(1階に18台分の駐車場)の建物を予定している。 すぐそばに住む清原一貴さんが、一部で噂のあった葬儀場建設についてたずねるためJA三宅支店を訪問したのは今年7月末。その後、職員が自宅を訪れ「8月4日に住民への説明会をします」と案内状を渡されたという。「あまりに突然で、本当に説明する気があるのかと思った」。 清原さんや地元自治会連合会会長の貞方道夫さんらが訪れたのは2回目の説明会。その際、「いきなり設計図を広げて建物の説明を始めた。こちらは、なぜこの場所に突然造ることになったのか、きちんと説明してほしかったのに、もう建設は決定したかのような態度だった」(貞方さん)。 葬儀場は一度に多くの車が出入りするが、脇の道路は市立三宅小学校への通学路である。同校のPTA会長でもある清原さんは「子どもだけでなく、隣には公民館があり多くの高齢者も行き来する。安全上問題があり、事故が起こってからでは遅い」と指摘する。 第2は駐車場の問題だ。予定の駐車スペース(最大25台)では足りないため、JA三宅支店のほか、国道をはさんで徒歩数分のところに2カ所、計約80台分の駐車場を借りる予定。だが周辺の道幅は非常に狭い。 「葬儀場に出入りする人間はほぼ同時に移動するわけで、車で道がふさがれるのは間違いない。もっとも影響を受けるのが、駐車場予定地周辺の住民かもしれません」(清原さん)。 こうした反対意見に対しJA側は「建設することは決まっているが、要望には最大限、応えたい」と話す。 住民の声を受け入れ、通学路側の敷地を1㍍下げて余裕を持たせるよう計画を変更。また駐車場には誘導員各1人を配置し、渋滞が起きないように配慮するという。「説明会を終わりにしたいとは言ったが、地元との対話を打ち切るわけではない。今後もできる限り住民の声を聞きたい」 今回の計画をめぐる対立の発端は、JA側の対応にある、と言わざるをえない。「本気で説明する気があったと思えない」「最初から、建設を前提とした態度だった」。葬儀場が、誰もが喜んで賛成するという性質の施設ではない上に、最初にこのような印象を与えたため、住民の態度が硬化した面は否定できないだろう。 JA側も、1回目の説明会の告知期間が短かったことを認め「確かにまずかった。その後は十分な時間を取るよう対応している」というが、地元の反発は簡単には収まりそうにない。 三宅の地にJAが来て80年以上、周辺には多くの組合員も住む。「これまでの関係もあるから、できれば穏便にすませたいのですが・・」(貞方さん)というのが地元の本音だ。 長年かかって築いた信頼関係が無に帰するのか。結果は、さらなる話し合いを前提に、JAがどう対応するかにかかっている。
福岡市南区三宅でJA福岡市(中央区)による葬儀場の建設計画が浮上、地元住民の反対にあっている。
葬儀場の建設計画めぐり対立 住民とJA 福岡市南区三宅 [2008年1月8日09:38更新]
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突然の「建設計画」
近くには小学校 渋滞招く可能性も
JAは「配慮したい」

