(07年10月号掲載) 今回は、柳川市内の市営駐車場(写真)に関して、同じく「税金を使って土地所有者側に便宜を図ったのではないか」と疑問に思われる例を挙げる。 一方、執行部のズサンな対応が批判された「漁業団地問題」について、関係者から「スタート時点でろくに議論しなかったツケ」「目的は事業そのものではなかった」とする声も上がっている。多額の県税も投入される大事業の問題点を明らかにする。 市が整備し賃貸 柳川市筑紫町の市営駐車場。広い土地には数台の乗用車が止められているだけ。観光地・柳川でよく見られる、観光バスなどはない。「平日はこの通り。今ある車は、近くに通う地元の人のものです」。ある市民はそう語る。 この駐車場(約1500平方㍍)は缶詰工場の跡地を整備し昨年、オープンした。平日は無料、土日などは有料。だが、観光の中心である旧藩主立花邸などからやや離れた位置にあるためか、観光客の利用は少ない。「こんな状態では、なぜこの場所に作ったのか、疑問が残る」(同)。 登記簿によると、土地の所有者は缶詰工場の元経営者A氏の親族。市はこの土地を2700万円あまり掛けて整備した(うち約1700万円は場内に設置された公衆トイレの建設費)。 その上で、市と所有者は昨年6月、20年にわたる賃貸借契約を結んだ。賃料は年額約34万円。そのほか有料の日には、管理者手当てとして日当5900円が支払われるという。 驚くべきはその契約内容だ。 (1)市が物件をその目的に従って使用しない時 (2)賃貸料が規定どおりに支払われない時―など、所有者側は契約を破棄できる、としている。 つまり、税金を使って駐車場として整備した土地を、返還してほしい時には事実上、所有者側の都合で契約を破棄できる―という内容になっているのだ。 また、市は今後、賃料など駐車場に関わる支出が減額・削除された場合(例えば議会で「おかしい」などと指摘されて)は契約が解除できる。さらに契約を破棄する際には (1)公衆トイレなどを市が撤去して返還する (2)市はいかなる補償も所有者に請求できない―と定めている。いずれの場合も、所有者はまったく金を使わず、更地だけが残る仕組みになっている。 このほか、契約書には 「(賃貸契約した土地は)所有者が使用する土地431平方㍍を除く」とある。「この部分は、所有者が独自に民間と契約し、平日に車を止めさせています」(市関係者)。市が整備した駐車場を使って料金を取っている上、それを市側も認識しているというのだ。 A氏は、地元選出県議の後援会長を長く務めていた。「数年前にA氏から『土地を駐車場として市が借り上げてほしい』と相談があった。しかし、問題があって出来なかった。この後、彼は後援会長を辞めた」(県議関係者)。A氏は05年の市長選で石田氏を支援したという。 市営駐車場建設は石田氏が当選した後の議会で議題に上ったが、議事録を見ても、ほとんど議論のないまま可決されている。 こういった状況を見ると「選挙を支援した見返りに、市税を使って駐車場を整備して所有者有利な契約を結び、特定の個人に便宜を図ったのではないか。それを、議会もチェックできなかったのではないか」と指摘せざるをえない。 市内に点在するノリ業者を1カ所に集め効率化を図ろうというこの事業。ノリを洗う際に出る、塩分を含んだ水がそのままクリークに捨てられ、農業用水を汚していることが問題となり「地域の環境を保全するために業者を移す」というのが「大義名分」だった。 だが、今議会では浄化槽の設置を当面見送ることが決まり、ノリを洗った水は矢部川へ強制排水されることに。つまり「環境保全」が目的といいながら、そのために必要な設備がない―という事態になっている。 議員らは「あまりにズサンな計画」と批判。また、ある市職員は「最初にちゃんと議論していないから、今になって細部が破綻するのは当然」と吐き捨てた。 事業規模の根拠となったのは、旧大和町の漁業組合に実施したアンケート。約100人が入居を希望したという。だが実際には現段階でわずか10人あまり。市関係者は「高齢化が進むなど、今さらほかの場所へ移りたくないのが業者の本音。だがそれだと事業が始められない、入居を希望すると答えざるをえなかった―というのが真相です」 またある市議は「名目さえあれば、漁業団地以外のどんな事業でもよかった。二束三文の土地を高値で買い上げるのが目的だったのだから」と指摘する。中島地区は石田市長の支持者が多い地域という。 だが約2億1000万円で土地を買収することは、05年10月の臨時議会で全会一致で決まっている。「ノリ養殖の実態など、多くの議員は知らなかった。少し調べればすぐにわかるのに」と批判するのはある市幹部。「事業には多くの県税も投入される。県民は、ここで何が起こっているかを知るべきです」
市議会においてさまざまな問題が取り上げられ、石田宝蔵市長と市議の対立が鮮明になっている柳川市。本紙は9月号で旧大和町の工場買収について『P社に特別の便宜を図った』と指摘されても仕方がない」と報じた。
柳川市南東部、矢部川沿いの中島地区(旧大和町)。約12万平方メートルという広大な土地に、まるで大きな体育館のような建物が2棟、作られている。これが「漁業団地」だ(写真)。今後7年間であと8棟が作られる計画だが、入居予定のノリ養殖業者は現在2協業体、計8人のみ。来年度は4人しかいないという。
駐車場整備し便宜図る? 「市長選支援」の見返りか [2007年11月14日10:41更新]
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所有者有利な契約
議会のチェックは・・
漁業団地 土地の買い上げが目的か
入居者がいない?
県民に知ってほしい

