(07年10月号掲載) 県選出の山崎拓、古賀誠両衆院議員は早々に福田氏支持を表明。だが地元議員らは予備選を行わず麻生氏に3票を投じた。激怒する国会議員側に対し地元側は「誰のおかげで選挙に勝ててると思っているんだ」と一歩も引かない。一方、民主党福岡県連は、自民の内紛を尻目に着々と「解散、総選挙」への準備を進めている。 来春にも実施が予想される衆院選だが、こんな状態ではたして自民は戦えるのだろうか。 「秘書時代から今くらい働いてくれてれば、私ももっと楽だったのに」 10月6日、福岡市内のホテルで開かれた貞末利光県議会議長の就任記念パーティー(写真上)。冒頭で挨拶した麻生氏は、元秘書だった貞末氏をこう評し、場内の爆笑を誘った。 このパーティーは、県連内の「対立」を如実に表していた。本人が出席した国会議員は麻生氏のほか、山崎派ながら貞末氏と旧知の間柄である武田良太氏、参院議員の吉村剛太郎氏のみ。山崎拓・古賀誠・太田誠一各氏は代理出席はおろか、名前を読み上げられることすらなかった。 総裁選をめぐるゴタゴタは、山崎・古賀両氏が早々に「福田支持」を打ち出したことに始まる。これを受け、当初は新宮松比古会長に一任する考えだった県連は、3票をどちらに投じるか決めるため、予備選挙を実施することになった。 だが山崎氏が「参院選大敗後に安倍首相を辞めさせなかった」と、当時の幹事長麻生氏の責任に言及。その上で「福田をやれ」と系列地方議員らに指示した。 この言動に県議らが猛反発。山崎・古賀氏らは予備選の実施を迫る要請文を送ったが、県連役員会では予備選中止、麻生氏支持がすんなりと決まった。 国会議員からは「われわれを何だと思っている」「県連は県議の私物ではない」などと怒りの声が上がったという。これに対し、県議側からは「衆院選で落としてやる」といった発言も飛び出した。 「今回のゴタゴタは、基本的には6月の県連会長選から続く『遺恨試合』の第2ラウンドといっていいでしょう」。こう語るのはある政治担当記者だ。 会長ポストをめぐっては国会議員と県議ら地元議員との間で激しい綱引きが展開された末、新宮県議が就任するという異例の事態に(6月号既報)。この時生じた軋轢が、今回のゴタゴタの直接の引き金になったというのだ。 「国会議員側は『会長の首を取る』と漏らすなどポストを取り返そうと目論んでおり、一方の県議側もそうはさせじと団結しているのが現状。予備選中止の決断は、新宮会長が『自分1人で決めた』と言っていますが、もちろんそんなはずはなく、影で糸を引いていたのは今回も、蔵内勇夫・吉原太郎両県議の『裏ツートップ』ですよ」(同)。 国会議員・地元議員の亀裂の発端は、昨年の福岡市長選にまでさかのぼる。山崎広太郎市長(当時)に対する党推薦が選挙直前まで出ず、「国会議員は誰のおかげで選挙に勝ってると思っているんだ」との不満が地元議員間に噴出した。 「山崎、古賀両氏とも中央政界での生き残りがかかっており、内心では次期衆院選を控え県議と対立するのは得策ではないとわかっていながらも『福田支持』を押しつけようとしたわけです。ただ、麻生氏が予想以上に得票したため、古賀氏はともかく山崎・太田両氏の立場はかなり危うくなりましたね。『7割の確率で次は落選』という県議もいます。2区内の市議の中には、公然と『絶対に山拓の選挙はやらん』と言い放つ輩までいますよ」(自民関係者)。 一方、両政令市長選・統一地方選で勝利を収め勢いに乗る民主県連は、衆院選に向け候補者の選定など着々と準備を進めている。 9月末には北橋健治氏が北九州市長に転出し空席となっていた9区(北九州市八幡東区など)の公認候補に、元外務官僚の緒方林太郎氏擁立の方針を決定。 また、選挙戦の「目玉」ともいえる2区(福岡市中央区など)には、県知事選にも出馬した稲富修二氏を擁立する方向で固まった。 そのほかの空白区(4、8、11区)の候補も今月一杯に決まる予定。ある民主関係者は「県内11区すべてで議席を取るつもりでやる」と意気込んでいる。 「このままでは自民大敗、政権交替だ」と囁かれる次期衆院選。自民県連内の対立が解消されなければ、思わぬ「大物議員」の落選が見られそうな情勢となっている。
安倍晋三・前首相の突然の辞任から、福田康夫、麻生太郎の両衆院議員によって争われた自民党総裁選。これをきっかけに自民党福岡県連内の「国会議員vs地元議員」の対立の構図が一層強まった。
自民県連の内紛激化 国会議員vs地元議員 衆院選に不安 [2007年11月8日08:40更新]
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「国会議員を何だと思ってる」
県連会長選の遺恨試合
次期衆院選へ影響大
民主は2区に稲富氏 「県内11区全部取る」と意気込む

