(07年9月号掲載) このほど、福岡市内の屋台が加盟する3組合が自主パトロール組織を結成し、巡回活動に乗り出した。そういった新たな動きを踏まえ、今回は「市民と屋台との『共存共栄』のためには、行政側も含め、今後どうしていけばいいのか」という問題について、本紙から提言したい。 今回結成された屋台組合のパトロール組織は、博多移動飲食業組合など3組合の幹部らで構成される。抜き打ちですべての屋台を巡回し、マナー違反などをチェックする。何度注意しても改善されない屋台は組合から除名し、市に道路占有許可を与えないように要請するという。 一方で屋台経営者の中には「これまでも何度かやってきたが、いつも掛け声倒れだった」と冷ややかな反応も。今後の取り組みが注目される。 現在の屋台は、戦後間もないころに起源があるとされるが、屋台と行政のせめぎ合いはすでにこの頃から始まっていた。屋台の歴史は、完全排除を目指す警察など行政側への「抵抗の歴史」だった―といっても過言ではない。 1962年に営業許可基準などが決定。その後、営業者の名義変更をめぐって県警・業界間の「綱引き」が続いたが、94年、県警は「屋台に関しては営業者は1代限り」などとする方針を打ち出した。 一方、黙認の形を取っていた福岡市は、96年に「屋台問題検討会」を発足させて方針を検討。 2000年5月に「福岡市屋台指導要綱」を発表し、現在にいたっている。 営業者を原則1代限りとしたことで高齢化が進み、代わりの人間を雇うなど実際にはルール違反も多いという。また、最近は減ったとはいえ「通行のじゃま」「汚い」などの苦情も依然として寄せられている。 そこで、まずは業界の現状を正し、各屋台にルールを守らせるのが最優先だ。 《提言1》屋台業界は、自分たちの手で「ルールが守られているか」をチェックし、違反者には厳しい態度でのぞむ これは、前述のパトロール組織が掲げる方針と同じであるが、実際に行うとなると、様々な問題があるだろう。だが、ここをクリアしなければ市民からの信頼を得られず、先へ進めない。「身内であっても厳しく対応する」という姿勢を前面に出し、市民の信頼と支持を得る―という前提で次の点を述べたい。 《提言2》屋台が道路を使用することは特例で「合法」と認め、市条例などで明文化する この点については特に県警から反発があるだろう。 これまでも、県警は道路交通法上の問題を挙げて強硬な立場を取ってきた。また、公道を使っての私的営業を認めることは、ほかの商店などから「なぜ屋台だけ特別扱いなのか」といった不満が出ることも考えられる。 だが「違法ではあるが、現状を黙認せざるをえない」という中途半端な状況が、様々なトラブルを引き起こす1つの要因ではないのか。これを解消するためには特例を認めた上で、業界に厳しい対応を求める方が現実的だと考える。 《提言3》厳しい審査を条件に、営業権譲渡、新規参入を認める 《提言4》市は水道やトイレの設置など、営業環境の整備を行う これらについては相当、異論・反論があるだろう。特に、税金を使って屋台営業を助けるのはおかしい―との意見は、ある意味当然である。議論の「叩き台」としてあえて提言した。 以上は、あくまで本紙の私的意見である。だが、これらの可能性について市道路管理課は「市民の側からそういう声が盛り上がってくれば・・」と、否定はしていない。 その前提となるのは業界の自浄努力であることを重ねて言いたい。
本紙は6月号で「博多屋台に未来はあるか」と題し、業界に「現状を踏まえ、営業実態をもう一度見直すべき」と述べた。県警・市役所などの行政側の本音は「屋台の消滅」であること、また一部の屋台経営者も「何とかしなければ」と危機感を募らせていること―などから、まずは業界の自浄努力が必要だと考えたからだ。
(写真:多くの客でにぎわう福岡市・中州の屋台)
博多名物・屋台の未来は? 市民との共存共栄を目指す提言 [2007年9月15日14:35更新]
業界まとまり 自主チェックへ
行政との軋轢が博多屋台の歴史
業界の努力が前提
積極的な議論を

