九州沖縄 1人区は自民の2勝5敗 ’07参議院選挙 [2007年8月15日13:49更新]

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(07年8月号掲載) 

保守王国、崩壊か 自民空白区3県に

福岡を除く九州・沖縄の1人区では、すべての選挙区で候補を擁立した自民の2勝5敗に終わり、非改選も含めると長崎・宮崎・沖縄の3県が「自民空白区」となった。「自民候補の総崩れ」という最悪の事態は回避した形だが、勝利した2選挙区は「野党分裂で漁夫の利」(大分)、「薄氷の勝利」(鹿児島)と、どちらに転んでもおかしくない状況。「保守王国」と呼ばれた九州でも確実に「自民離れ」が進んでいる現実を浮き彫りにした。(敬称略)



佐賀選挙区

全国で唯一、自民が候補を差し替えた佐賀。民主の川崎稔が前県副知事川上義幸を破り、2度目の挑戦で自民の「不敗神話」を崩壊させた。

佐賀商工共済協同組合の粉飾決算問題を抱える前職の陣内孝雄の公認辞退を受け急きょ出馬した川上だったが、同組合問題に対する有権者の反発は想像以上。古川康知事が全面的に支援し、県内20市町の首長が後援会を支えた上での敗戦。今後の県政に影響を与えるのは必至だ。

長崎選挙区

民主公認の大久保潔重が勝利した。高校サッカーの指導者として全国的に知られ、圧倒的知名度を誇った自民公認の小嶺忠敏はまさかの敗戦。

知名度に勝る小嶺擁立に、党県連内には当初から楽観ムードが漂った。だが、小嶺に出馬を打診した久間章生・前防衛相の原爆投下「しょうがない」発言はまったくの「想定外」。年金問題も含めた有権者の怒りに対し、有効な打開策を見出せなかった。

熊本選挙区

自民が公認する現職の三浦一水、民主の松野信夫との事実上の一騎打ちとなった熊本。組織力で劣ると見られていた松野が、都市部の無党派層や反自民票を取り込み、01年に同選挙区の改選数が1となって以来、初の議席を獲得した。

衆院熊本3区補選は、元衆院議員の坂本哲志が当選。保守票を奪い合うと見られた自民県議の荒木義行、反自民の追い風を受ける民主の後藤英友はともに及ばなかった。

大分選挙区

5政党が激突する「混戦」を抜け出したのは、自民公認の新人礒崎陽輔だった。

「大分方式」と呼ばれる社民・民主両党の共闘態勢が決裂し、社民が松本文六、民主が矢野大和をそれぞれ支援する形に。矢野は大分市で礒崎を7000票上回るなど健闘したが、典型的な「共倒れ」となった。

宮崎選挙区

いまだ人気衰えぬ東国原英夫知事同様、政治改革の必要性を訴えた外山斎(いつき)が圧勝した。6年前の公認争いをめぐる「怨念」から、長峯基との「保守分裂」となった現職の小斉平(こせひら)敏文は、保守層を固め切れなかった。

保守分裂の背景には上杉光弘・元参院議員と江藤隆美・元衆院議員の根深い対立の構図がある。自民が強いとされてきた郡部などでも外山が上回り、選挙の度に分裂を繰り返す自民に、保守層がNOを突き付けた形だ。「保守王国」といわれた宮崎だが、有権者の「自民離れ」に歯止めがかかりそうにない。

鹿児島選挙区

自民・民主・共産による3つどもえとなった鹿児島は、自民前職の加治屋義人が薄氷の勝利を収めた。

民主の皆吉稲生は都市部で加治屋を上回る得票を見せるなど大健闘。あわや「逆転か」というところまで追い込んだが、わずか2700票差に泣いた。

沖縄選挙区

野党5党が推した糸数慶子が、自民公認の現職西銘順志郎に大差を付けて返り咲きを果たした。 昨年11月の県知事選に出馬、わずかな差で涙を飲んだ糸数。今回は沖縄の全県選挙で最高得票となる37万票あまりを獲得した。

知事選・参院補選と連勝した与党だったが、逆風を跳ね返せなかった。