(07年7月号掲載) 現段階では「関係修復」をアピールする与党だが、大分出身の比例候補をめぐる「お家騒動」などに端を発するギクシャクぶりは「1人選挙区での与党苦戦の象徴」との指摘が。さらに選挙区での「自民候補惨敗」、比例での「公明票大幅減」を予想する声も上がっている。 一方、「自民・民主候補でほぼ決まり」とされる福岡では、話題性に乏しい選挙戦となっている。 6月27日、福岡市中央区のホテルで開かれたパーティー。支援者約400人で埋まった会場にはしかし、この日の主役であるはずの衛藤晟一・元厚生労働副大臣の姿はなかった。 「『今日のパーティーは出席できなくなった』と本人から昨夜、電話連絡がありました。本人も断腸の思いであります」。衛藤氏の盟友である中川昭一政調会長の講演の後、後援会の堀田庫士氏(元大分県連自民党幹事長)は、詰め掛けた支援者に向けそう語った。 従来は「選挙区は自民、比例は公明」と協力体制を取ってきた自公。だが今回、大分県出身の衛藤氏が比例代表に自民公認での出馬を決定。競合する公明の木庭健太郎参院幹事長の地元・福岡での決起大会開催に危機感を強めた公明サイドが、前日になって自民党本部にパーティーの中止を求めたのだった。 「衛藤の出馬は、公明にはほとんど影響はないはず、じゃまはしていないのに」。堀田氏の「恨み節」は続く。 公明からの横槍郵政解散の際、「造反組」として無所属で出馬、落選した衛藤氏だが、安倍晋三首相の一声で復党。だが公明からの圧力で、地元大分での選挙活動は認めないなどの厳しい制約が付いた。「こんな状況でどうやって運動すればいいのでしょうか?むしろ、今日の集会を本当の意味での総決起大会と位置付け、必ず衛藤を当選させましょう」と力強く締めた堀田氏。 「相当同情票が集まるはず。本人が来ない方が結果的に良かったかも」。そう語る関係者もいた。 実はこの前日、中央区の国際ホールで「木庭健太郎を励ます会」が開かれていた。会には、神崎武法・党常任顧問も訪れ「何としても(九州での得票目標)110万票を達成しましょう」と気勢を上げた。 だが関係者からは「下手をすると90万まで下がるのでは」との声が。さらに「与党への逆風は想像以上。九州の1人選挙区は総崩れ、という事態もありうる。自公でもめてる場合ではない」(自民関係者)。 その後、大分市の公明主催のパーティーで自公幹部がそろって関係修復をアピール。公示前日には各区自民候補への公明推薦が概ね出揃った。だが「駆け引きの意味もあるでしょうが、公明がギリギリまで推薦を出さなかったのは負け戦に乗りたくないから。 つまり、1人区の中には相当ヤバイ所があるということ」と分析する政治記者も。与党苦戦は免れそうにない。 一方、メディア各社が行う事前の世論調査で優勢が伝えられる民主。福岡県連は6月25日、福岡市内のホテルでパーティーを開催、約1000人(主催者発表)を集め、岩本司候補らが壇上で「1カ月後の選挙へ向けがんばろう」とこぶしを振り上げた。 福岡・北九州両市長選の勝利、統一地方選での大躍進。勢いに乗る民主だが「確かに出席者は多く見えるが過去の例からすると通常より1割少ない感じ」と話すのはある関係者。「選挙直前のこの時期、しかも有利な要素がそろっているにも関わらずこの数というのは、単純にいって選挙そのものが盛り上がってないからですよ」 九州で唯一の2人選挙区である福岡。今回は「自民・民主のゴールデンシート」と、松山政司(自民)・岩本両候補の当選が確実視されている。このため話題性に乏しく、各陣営の頭痛の種となっている。 だが、メディアの評判は一様に悪い。「会見だというので行ってみたら、いい大人が集まってこの程度かよ、と。誰からともなく『こんな取材はコリゴリラー』との声が上がりましたよ」(メディア関係者)。 盛り上がりを欠く福岡選挙区を象徴する話題提供となったようだ。
7月29日投開票の参院選が公示を迎えた。九州の一部の選挙区では、自民候補に対する公明の推薦が公示前日まで出ないという「異常事態」が発生。唯一推薦が出てない宮崎では「公明自主投票」となる見通しで、自公の協力関係に亀裂が生じている。
(写真=主役不の集会で講演する自民・中川昭一政調会長)
こんな状況を打破しようと民主は、「悪政コリゴリラー」を叫ぶ、ゴリラをモチーフにした選挙マスコット「ボイス君」を登場させた。盛り上がらない選挙戦に何とか話題を―との思惑が見える、苦肉の策だ。
自公協力体制に亀裂 与党苦戦を象徴? ’07参議院選挙 [2007年7月15日16:24更新]
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