九州大学 キャンパス 六本松 中央区 街づくり 県議 文化施設 福岡市西区へ移転する九州大学六本松キャンパス(同市中央区、約6.5㌶)の跡地利用の行方が注目を集めている。南側半分の土地には法曹関係施設が移転する方向だが、北側の土地については様々な案はあるものの、具体的には決まっていない。 移転が09年4月に迫り、九大や行政が議論を進める中、地元住民からは「市民の憩いの空間に」「公共性の高い文化施設を」といった強い要望が出ている。「都心にごく近い場所にこれだけの土地が出現する。後にも先にもこんなことはない」。広大な跡地の活用法は、決定にいたるまでの過程も含め、今後の「街づくり」のあり方に極めて大きな影響を及ぼしそうだ。 学識経験者や行政側の代表者らで構成される「キャンパス跡地利用計画策定委員会」が計画案をまとめたのは今年3月。その中で、南側には地方裁判所や地方検察庁などの法曹機関が移転することがほぼ固まった。年内には正式に決まると見られる。 しかし、北側の土地は「商業や住宅などの複合的な利用」とあるだけ。「民間活力を積極的に導入するとともに、周辺地域への影響や将来需要などを見極めながら検討する」と、具体的な案はまだ決まっていないのが現状だ。 キャンパス周辺住民らが集まり「草ヶ江校区まちづくり協議会」(会長・早麻清蔵県議)を設立したのは1994年。住民にアンケートを実施し意見や利用案を集約したり、跡地利用についての講演会・勉強会を開くなどの活動を続けてきた。さらに「計画策定委員会」にも参加。住民の声を計画に反映させる重要な役割を果たしている。 アンケート結果では、住民が求めている施設は文化施設や広場、スポーツ施設など。また将来の跡地のイメージとして「文化的で落ち着きがある」「適度に賑わい、文化や生活が混在するといった意見が多数を占めている。 民間業者への売却には反発も一方、「高層マンションなどの都市的な景観」については反対が多く「緑豊かな低層住宅中心の街」が支持を集めている。このためか、民間業者への跡地売却については「高層マンションが建ったりすると、景観が損なわれる」などと反発が大きい。 だが、すべて公共施設にするという案は、県や市の予算の関係上無理がある。また、法曹施設の移転に伴い、弁護士や司法書士ら多くの関係者が移ってくるとみられ、通勤者などの数は9000人にも及ぶとの試算もあるという。「引っ越してくる事務所だけでも相当数に上るはず。だからマンションなどはある程度必要だし民間活力も利用すべきです。問題は全体のどの位の割合か、ということでしょうね」(協議会関係者)。 さらに、土地の所有者である九大側の思惑を指摘する声もある。「伊都キャンパスの建設費用だけでも相当かかっている。できるだけ高く土地を売りたいのが本音です」(行政関係者)。 周辺住民の意見と関係者の抱える諸事情・思惑を、いかにして両立させるか―北側の土地利用の具体案が未だに明確でない現状は、この課題の難しさを示しているともいえる。 「今後、計画案が決まって具体化していく段階に入ると、住民は事実上関与できなくなります。だからこそこれまで積極的に意見を述べてきたんです」と話すのは別の協議会関係者。「ですから北側のゾーンについては、事業者をどのように決めるのか明らかにするとか、一般公募であれば住民の声を盛り込めるような条件を付けてほしいですね」 周辺住民に多大な影響を及ぼすと同時に、大きなビジネスチャンスでもあるキャンパス跡地利用。今後の過程の中で、どのようにして住民の声を活かしていくのか。街づくりのあり方や福岡市の〝将来像〟を占う上でも、計画の行方が注目される。
どうなる? 九大・六本松キャンパス跡地 [2007年6月15日18:34更新]
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住民の声を活かした計画を
「落ち着いた文化的な街に」
声を活かした「街づくり」を

