九州沖縄の選挙区事情 1人区は波乱含み ’07参議院選挙 [2007年6月15日18:11更新]

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(07年6月号掲載) 

7月22日投開票が有力とされる参院選まで1カ月あまり。すでに前哨戦から嵐の予感が漂う異例の展開となっている。自民党現職の公認差し替え劇に始まり、民主と社民の共闘崩壊、比例候補擁立をめぐる自民と公明の〝蜜月〟関係のきしみ・・。九州・沖縄8選挙区は、2人区の福岡を除く7選挙区が与野党決戦のかぎを握る「1人区」の争いだ。各地の選挙区事情を探った。

 (敬称略)



佐賀選挙区

与野党の思惑が絡み合う「ドラマ」の序章は、佐賀で封切られた。破算した佐賀商工共済協同組合の元理事長、陣内孝雄をめぐる「自民公認の辞退劇」だ。同党は5月下旬、急きょ前佐賀県副知事の川上義幸を公認。前回に続き民主が公認する新人の川崎稔らが、参院選20連勝を誇る「自民王国」の崩壊をもくろむ。

宮崎選挙区

宮崎では自民公認の小斉平(こせひら)敏文が座る議席奪回を目指して民主と社民のタッグが成立、外山斎(いつき)の擁立を決めた。年初から続く東国原英夫知事の「そのまんまフィーバー」を意識して、前回も出馬した元キャスターの東治男も「東風を起こしたい」と息巻く。共産公認や元職を含めた5氏による「乱立戦」だけに、各陣営とも存在の埋没を恐れているようだ。

大分選挙区

村山富市元首相の地元・大分では「大分方式」と呼ばれる社民・民主両党の共闘態勢が決裂。社民が松本文六、民主が矢野大和をそれぞれ支援する。新人の礒崎陽輔を公認する自民は、前回は同党公認で当選後、国民新に移った現職の後藤博子の動きに神経をとがらせている。

熊本選挙区

熊本は、自民が公認する現職の三浦一水に、民主の松野信夫と共産公認が挑む。参院選と同日選挙となりそうな、松岡利勝・前農相の自殺に伴う衆院熊本3区補選の動きも注目だ。補選には元衆院議員で、参院選での自民・三浦支援を打ち出している坂本哲志と、自民県議の荒木義行がともに出馬を表明。自民が公認擁立を見送ったこともあり、「保守分裂」は必至の情勢となっている。さらに、民主と共産も候補擁立を模索。参院選・衆院補選の構図が複雑に絡み合い、先の読めない選挙区だ。

鹿児島選挙区

自民・民主・共産による3つどもえの構図の鹿児島。下馬評は自民優位だが、民主も同県鹿屋市を拠点に活動する「さくらパパ」こと横峯良郎を比例代表で擁立。小沢一郎代表も県内を極秘で訪れるなど、てこ入れを図っている。

長崎選挙区

長崎は、高校サッカーの指導者として全国的に知られる自民公認の小嶺忠敏と、小沢一郎代表と近い民主公認の大久保潔重による事実上の一騎打ち。教え子らを通じたネットワークを活用して浸透を図る小嶺に対し、知名度で遅れを取る大久保も社民・国民新党の支援を取り付け、ともに臨戦の構えだ。

沖縄選挙区

知事選と参院補選で与党系候補が連勝した沖縄は、野党陣営が糸数慶子を立て背水の陣で臨む。

福岡選挙区

定数2の福岡は、自民の松山政司と民主の岩本司という両現職による「指定席争い」となっており、盛り上がりに欠ける印象は否めない。

比例代表

比例代表では中山成彬前文相(衆院宮崎1区)の妻・中山恭子首相補佐官、大分出身の衛藤晟一前衆院議員ら九州ゆかりの自民党公認候補が出馬、連立与党を組む公明の反発を買っている。

各地で築いてきた「選挙区は自民、比例は公明」という両党の協力態勢にほころびも見える。