こども病院 検証、反対運動再燃(2)はたして独法化できるのか? [2009年3月2日10:49更新]

タグで検索→ |

noimage

(09年2月号掲載)

福岡市役所移転をめぐっては昨年、患者家族らの団体がその賛否を市民に直接問う住民投票条例案の制定を求め署名を提出したが、同11月の臨時議会で否決された。 

これまで多くのマスコミが問題点を検証せず報道もしてこなかった状況を考えると、これらの動きが今後の計画に与える影響は小さくないだろう。

さて、人工島への移転計画であるが、現在福岡市は、こども病院などの独法化と新病院のPFI事業者募集の作業に入っている。本紙は1月号で「病院の独法化は、将来の経営破綻を見越して市側の責任を回避するのが狙いではないか。そのために現在地で独法化し、人工島へ移転させるのではないか」と指摘した



責任はやはり独立法人に

1月26日に開かれた病院事業運営審議会で、独法が破綻した際の責任について問われた市の担当者は「責任は独法が負う」「破綻した場合は独法の解散、市の直営に戻す、民間に委ねるというのが考えられる」と説明した。

昨年末に取材した際には「そうした(経営破綻するという)ケースは想定していない」と答えていたのだが・・。 

人工島に移転後、土地代や建物新築などの費用は原則としてすべて新病院=独法が負担することは既報の通り。これまで市が発表している資料では、こども病院は現在地では黒字になる見通しとなっているが、新病院は30年平均で年間17億円の赤字。そんな状況ではたして病院の独法化が認められるのか。

総務省は「移転後の状況も考慮し認可する」    

公立病院などの独法化を所管する総務省公営企業課は「公営企業型独立行政法人は独立採算でやるべきというのが大前提です。独法化の認可に際しては、別法人として今後経営していけるのかどうかを審査します」と説明する。 

同課は「こども病院の独法化については昨年、福岡市から話を聞いているが、まだ詳しい説明は受けていない」とした上で「財産状況などについては当然、移転した後についても考慮します。収支見込みやバランスシートについて検討することになるでしょう」 

ちなみに同課は「これまで独法化した公立病院で直後に新築・移転した例は聞いたことがない」という。 

とにかく、独法化に当たっては、現在地での収支だけでなく人工島へ移転した後の経営見通しも考慮されるわけだ。そうなると今後、福岡市は移転後の見通しについてどんな数字を総務省に提出するのだろうか。

要注目である。