見直し迫られる障害者自立支援法 [2008年10月10日10:41更新]

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(08年9月号掲載) 

作業に励む仲間たち福祉サービスの一元化や就労支援の強化などを掲げた 「障害者自立支援法」が05年10月に成立して、この10月で丸3年になる。施行は福祉サービス関係が翌06年4月から、施設・事業関係が同10月から。

同法は自立支援を掲げているものの、福祉関係者の間からは「逆に自立を妨げかねない」という批判も強い。

そこで、「福岡市障害者自立支援法を見直す会」代表で社会福祉法人さざなみ福祉会理事長の下川悦治さんに、この法律の問題点や障がい者の生活の変化などを聞いた。
(写真=作業に励む仲間たち)



 

「見直す会」は06年7月、てんかん協会福岡県支部やきょうされん(全国の作業所の集まり)福岡支部福岡ブロック、福岡精神保健福祉協会など多くの団体が集まって結成された。

「自立支援法で1つの大きな問題は、作業所に通うのに利用料を払うなど応益負担制度が導入されたことです。作業所に通って1万円から1万5000円の給料を得る。わずかですが、自分で働いて得たお金ということで、大きな励みになっていました。ところが、自立支援法で2万円から2万4000円の利用料が必要になった。そういうことなら家にいた方がいいと考える人や、利用料負担が重くて通えないという人が出ました。これでは自立支援と言えません。全国からの反発で負担軽減措置が取られ、現在は4分の1程度になっていますが、3年間の時限措置。利用料制度そのものをなくすべきです」

施設の運営も厳しくなった。施設に対する報酬制度が、それまでの月割りから日割りになった。これまでは利用者が20人の施設なら、その人数で1カ月分の報酬が決まっていたが、法施行後は毎日の利用者数で計算されるようになった。

「精神障がいの人の場合、日々の状態の変動が大きいので、どうしても出勤率が悪くなります。そのため施設の収入は以前の7-8割になっています。運営費を確保するために日数を稼がなければならないと、休みを減らす施設も増えています。これは利用者にストレスを与えると同時に職員の労働強化にもつながります。月割りに戻さないとやっていけないというのが現状です」

冒頭にも書いたように、就労支援の強化がこの法律の目玉の1つだ。しかし、これが「自立すなわち就職、何がなんでも就職という就職強制論になっていないか」と下川さんは言う。

「あと一押し、二押しで就職にこぎつける人もいますが、皆が皆、そうではありません。しかし、この法律を突き詰めていくと、就職を希望する人中心のサービスとなり、重度障がい者の切り捨てとなる恐れがあります。いわば自己責任論ですね。障がいを自己責任で扱っていいのかと大変疑問に思います」

現在、全国で30人ほどの人が日弁連とタイアップして、自立支援法に対して行政不服審査請求を行っているという。

「却下されたら、憲法違反という形で裁判に訴えることも考えられています。問題の性質を広く国民に知ってもらいたいということです」

《問い合わせ先》
「見直す会」事務局   福岡市南区柏原  かしはらホーム内

   TEL092(567)7766
   FAX092(567)7788