コンベンション構想の舞台裏(1)あの「須崎埠頭」が候補地に!? [2009年6月17日12:15更新]

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(09年5月号掲載)

福岡県議会棟福岡県が中心となって進めているコンベンションセンター建設構想。人工島(福岡市東区)を候補地とする内容で昨夏に表面化したが、その後は特段の進展を見せていなかった。 

ところがここへ来て、構想そのものを別の場所へ移そうという動きがあることが明らかになった。その移転先とはずばり、須崎埠頭(同中央区)。3年前の五輪招致で名前が挙がったことを覚えている方も多いだろう。 

なぜ今、須崎埠頭なのか。関係者の思惑とは? 水面下で進められている候補地変更、そこでうごめく有力県議らの狙いや経緯を探った。



自民県議らが推進  

「現在、有力県議らを中心に、コンベンションセンター構想を須崎埠頭に持って来ようという動きが密かに進められています」。こう証言するのはある県議会関係者だ。 

この構想は、国際展示会などの大規模イベントを開催するための巨大コンベンションセンターを新設、ホテルなどの関連施設や周辺の交通網なども整備して、一帯のエリアを再開発しようというもの。昨年夏に明らかになった、福岡では久々の大規模開発構想だ。 

当初から候補地として人工島の名前が浮上し、福岡市議会でも取り上げられるなど話題となったが、これまでほとんど進展を見せていなかった。ところがその裏側で、候補地を移してあらためて俎上に乗せようという動きが着々と進んでいるというのだ。 

関係者の話を総合すると、この構想を強力に推進しているのは自民党の有力県議や県幹部らで、一部の自民福岡市議も当然ながらこれに加わっているという。

「須崎の話は事実」野党県議認める  

「そこに新たに絡んできたのが、野党のある有力県議です」(前出県議会関係者)。建設構想をぶち上げたまではよかったが、その後停滞したことで「自分も計画に一枚かませてもらおうと、須崎埠頭への構想移転を持ち掛けた」のだという。

「こうした大規模開発は、議員にとっても甘い汁を吸える大きなチャンスですからね」(同)。 

 

当の野党県議は、本紙の取材に対して「自分は一切関係ない」と答えた。

その上で「建設候補地を須崎埠頭にしようという話があるのは事実。人工島の土地を買ってやる義理は県にはないし、本当に建設するなら須崎の方が現実的だ」 

また、ある自民県議が先月、「須崎構想」を持って上京し、地元選出の国会議員らと接触したことも認めた。「来年度予算で現地調査費を付けてもらうための下準備ではないか」

(続く)