広がる障害者自立支援法訴訟 福岡でも新たに第2次提訴 [2009年7月3日09:30更新]

タグで検索→ |

noimage

(09年5月号掲載)

意見陳述の感想を述べる山下さん(右)障がい者の自立支援とは名ばかり、むしろ自立を阻害する法律で、「生存権の保障」を明記した憲法に違反するという、障害者自立支援法撤廃をめざす訴訟が全国で広がっている。 

昨年10月31日、全国で29人の障がい者が原告となって8都府県の地方裁判所に提訴したのに続き、今年4月1日には28人が10道府県の地方裁判所に第2次提訴を行った。

これで原告は12都道府県57人となり、今後も地域、人数ともに増加する予定だという。 



福岡県でも、第1次提訴を行った平島龍磨さん(40)に続いて、平島さんと同じ田川市の「第2つくしの里」に通う山下裕幸さん(28)が原告に名乗りをあげ、5月8日に福岡地裁で行われた第2回口頭弁論で意見陳述した。 

 

山下さんは生後すぐ脳性マヒと診断された。手足や言語に障がいがあるが、将来は外に出て働きたいという希望を持って養護学校生活を送った。期待にあふれて高等部に進学したが、寮生活に入ってすぐ寮母にひどいいじめを受け、自宅にひきこもる状態になってしまった。 

そんな山下さんが出会ったのが障害者授産施設「つくしの里」だった。初めは仲間と接することが怖く、ひとりでいることが多かったが、さまざまな作業に取り組む中で持ち前の活発さを取り戻していった。そして、初めて給料をもらった時、「それまで感じたことのない達成感」を感じ「自分で仕事ができるんだと分かって、世界が広がった」という。 

その後は自分ができることを探し、現在ではパソコン操作を身につけ、仲間の製品の販売に必要な文書作成や販売活動の準備、商品の管理も任されている。 

 

山下さんは「障がいがあっても、ひとりの人間なんだということを実感させてくれるのが仕事だ」という。そして「自立支援法は、自分から、ひとりの人間としての誇りを奪ってしまう」と批判する。 

原告になろうと決めたのは、県の福祉懇談会で「あなたたちは、施設で援助、介護を受けているのだから、利用料を払うのは当然だ」と言われた時だったという。「同じ人間であることを否定された」と山下さんは語る。 

自立支援法の問題点の1つは、施設利用料が応能負担(所得に応じて負担)から応益(所得に関係なく1割負担)に変わったことだ。そのため、月1万円前後と所得の低い作業所で働く人は利用料が取られなかったのが、自立支援法になって一律に8000円前後の利用料を払わなければならなくなった。 

手取りが激減すると同時に、働く意味を否定されたと感じた。これが、自立支援といいながら実際にはその意欲をそぐ自立支援法の問題点だと山下さんは訴える。 

第3回口頭弁論は7月10日午前11時から福岡地裁で。

【問い合わせ先】
訴訟の勝利をめざす福岡の会事務局    電話FAX   092-872-8930

★同会のHPはこちら