前原RP問題 県が前所有者提訴(1)情報隠しにマスコミ激怒 [2009年7月31日10:41更新]

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(09年6月号掲載)

前原ICリサーチパーク予定地(前原市)本紙が再三報じてきた前原ICリサーチパーク(RP)用地(写真)に絡む問題。県はついに、前土地所有者ら2社に対して損害賠償を求める訴訟を起こした。 

県側はこの事実を1カ月も発表しなかっただけでなく、会見では訴状の公表を拒否。怒ったマスコミ各社が詰め寄ったため渋々明らかにするという、極めて異常な対応に終始した。 

こうした姿勢に対しマスコミからは「県は一体どこを向いて仕事をしているのか」と批判が噴出、「訴訟はあくまで形だけで、追及をかわすのが本当の狙いでは」との指摘も出ている。



記者たちの怒号  

「どういうつもりだ」「ふざけるな」。集まったマスコミ各社の記者たちから怒号が飛んだ。会見の冒頭、県側が訴状すら用意していないことが明らかになったからだ。 

関係者の証言を総合すると、会見が開かれたのは5月19日。「訴状を出せ」との記者の要求に対し県の担当課長は「弁護士と相談した結果、出せないということになった」。記者側は「それでは会見は受けられない」と突っぱね、県側が「もう1度協議する」と答えていったん打ち切りとなった。 

その後、4時間ほど経ってから再び会見したが、回答は基本的に変わらず「4時間も何を協議してきたのか」とまたも各社ブチ切れ。結局「訴状は出す方向で」との言質をとり、後日公表されたという。 

「今回ばかりはさすがに、怒りを通り越して呆れました」。こう吐き捨てるのはあるマスコミ記者だ。「土地は県民の財産であるとか、訴訟費用も税金から出ているとか、そういった意識が連中にはかけらもない」

1カ月も事実隠す

訴状によると、県は同用地を取得するためA、S社(いずれも福岡市)と交渉。06年7月、県有地7カ所とA社が所有する前原市の土地を等価交換した。A社は取得した県有地をすぐにS社に転売した。 

07年末に県が土壌調査を行ったところ、環境基準値を上回るヒ素などが検出され、産廃が不法投棄されていたことが発覚した。このため県は「2社は交渉前から廃棄物埋設の可能性を知っていたのに伝えなかった」として計2億9600万円の損害賠償などを求めている。

実は今回の提訴は発表の1カ月前、4月21日に行われている。つまりこの間ずっと、提訴の事実をマスコミなどに隠していたのである。

(続く)