(08年9月号掲載) 秦さんは韓国・釜山市在住。福岡での展覧会・個展は4回目。今回は、玄界灘の魚をモチーフとする作品に、日韓友好の願いを込めたという。 昨年には癌に冒されながらも克服し、精力的に創作活動に励む秦さんに、作品へ託す思いを聞いた。 会場入り口の手前から、両側の壁に色とりどりの魚が並んでいる。魚たちはS字型になった会場を左右に分かれて泳ぎながら一番奥で合流、大きな群れとなる。 会場内にはステンレスでできた魚も並ぶ。「本能の赴くまま、海を泳ぐ魚。そこに、玄界灘をはさんで向き合うわれわれのあるべき姿を重ねました。今回は運搬の事情から、多くを布で制作しました」(秦さん)。 竹島の領有権問題で再び緊張の度合いを増している日韓関係。「これまでも両国には難しい歴史があり、距離があった。ですが、福岡と釜山とは海でつながっている。人間の定めた国境はあるが、魚には関係ない。自由に泳ぎ、行き来している。われわれもそうあるべきなのです」 学生時代はヨット選手として活躍、琵琶湖にも来たことがあるという秦さん。「おかげで体が丈夫なのが自慢です」。金属を扱うために、その創作活動も激しい。「1日に8-10時間もハンマーを振るう生活が25年も続きました。10年ほど前からは、肩などあちこちが痛み始めて・・」 さらには昨年、甲状腺に癌が見付かり、手術を行った。「仕事のストレスが相当あったんだろうな、と。今は無理をしないように気を付けていますが、実際にはむしろ、手術後の方が多くの団体展などに参加しているように思います(笑)」 来年は、釜山の商店街のショーウィンドーを展示会場にする予定だ。「200㍍に及ぶ道路の両側に魚の作品を並べます。インパクトがあると思いますよ」
「海を泳ぐ魚に国境はない」。韓国人金属造形作家、秦栄燮さん(写真)の個展「本能」がこのほど、福岡アジア美術館(福岡市博多区)で開かれた。
魚に託す日韓友好への思い 韓国人造形作家の個展から [2008年10月3日14:36更新]
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