(08年9月号掲載) だがA社側からは反発が予想されるなど、実際に損害賠償金を求めることができるかは微妙な状況。「賠償請求は一連の騒動の幕引きを図るための措置」との見方もあり、多くの疑惑や指摘された問題点がうやむやのままで終わる可能性が出ている。 また、この問題に関連してA社が本紙を名誉毀損で提訴、本紙は徹底的に争う方針だ。 問題の土地は「前原IC南地区リサーチパーク(仮称)」用地(前原市)。県は九大学研都市構想に関連して06年7月、A社所有の土地と、県有地7カ所とを等価交換し取得。A社は交換した土地を即日S社(福岡市)に売却した。 ところが県がこの土地を調査した結果、基準値を上回るヒ素やフッ素などが検出された。3月議会でこの問題が取り上げられ「県は知らなかったのか」「被害が生じたという認識はないのか」などと追及され、県は「事前には知らなかった」「被害が生じたという認識はない」と答弁していた。 さらに6月議会でも等価交換の妥当性やA社側と県との「親密な関係」について質問されたが、県側は「手続きに問題はない」の一点張り。一方、「瑕疵があってもお互いに賠償請求はできない」と契約書にある点について麻生渡知事は「免責条項がありながら損害賠償請求を認められた判例が過去にある」と答弁していた。 賠償請求する以上、損害があったことを認めなければならず、これまでの答弁を自らが翻すことになる。「知事が賠償請求の意志を表明した以上、仕方ないという判断でしょう」(同)。 では損害賠償金額はいくらになるのか。別の県関係者は「指示を受けて算定した担当者が数億円の金額を提出した。だが上層部は『額が大きすぎる』と突き返した」と説明する。 賠償請求の相手となるA社は現在休眠状態で、実際にはS社が請求相手となる可能性もある。「もし相手が一部しか払えなかった場合、請求との差額が県の損失として丸々残るわけで、責任問題に発展するのは必至。だから"現実的な数字"に─ということですよ。おそらく数千万円といったところでしょうね」(同)。 仮に金額を確定させ、賠償請求したとしても問題は残る。 「法律相談依頼票」 (担当 企画調整課 提出日07年12月26日) ◎法律上の問題点 平成12年当時の土地所有者からの嘆願書により、県環境部は不法投棄の事実を認識していたこと。 これは不法投棄が判明した直後、担当課が顧問弁護士に相談した際の文書である。県が土地の交換相手に対して損害賠償請求を検討する中で、環境部がすでに不法投棄の事実を知っていたことを、県自らが問題点として挙げていたのだ。 賠償請求するには「県は不法投棄の事実を知らなかった」ということが大前提。もし取引の直接の担当者が知らなかったとしても、それは県の連携ミスが原因─A社側がこう反論することも考えられ、県の主張が認められないおそれがある。それを知った上で賠償請求したあげく、訴えが認められなければ「賠償請求は単なるポーズ」と非難されても仕方なかろう。 「だからこそ当然、請求額は"穏便"なものになるでしょう。今回の賠償請求で問題の幕引きを図りたいのが県の本音です」。ある大手マスコミ記者はこう語る。 本紙は6月号で、県とS社の親密ぶりを踏まえ「賠償を請求する意志が本当に県にあるとは思えない」と述べた。結果的に賠償請求するならばそれはそれで結構だが、内実がこういうことでは、県民を愚弄していると言うほかない。 すでに本紙が指摘してきた「等価交換を利用したA社側への利益供与ではなかったのか」といった疑惑は依然残されたままなのは言うまでもない。議会チェックを受けない、不透明な県有地等価交換のあり方の見直しなど、問題の本質に触れないまま事態を終わらせるようなことは、断じてあってはならない。 前原リサーチパーク問題に関する本紙の報道について、土地の前所有者であるA社がこのほど、「事実と違う記事によって名誉を傷付けられた」などとして、本紙に対して1100万円の損害賠償などを求める訴訟を起こした。 訴えによると、本紙が5月以降にこの問題を報じた記事について「事実に反する内容で、原告が県と共謀して不正な土地取引を行ったという印象を読者に与えた」などと主張。さらに「西日本新聞社などに新聞を送り付け、それが発端となって同社が同様の記事を繰り返し報じたほか、朝日、毎日新聞なども報道したため、原告は大きな被害を被った」としている。 その上で、「名誉、信用などに大きな侵害を受けた」として損害賠償のほか、西日本新聞などへの謝罪広告の掲載を求めている。 本紙は、A社の訴えに対し、徹底的に争う方針である。 今回のA社の主張はまったく不当というほかない。その上、西日本新聞など新聞各社の報道責任まで転嫁させられたことについては、あきれてしまった。各社の記事が事実と違い、内容に不服があるというのであれば、それぞれの社を訴えるのが筋であろう。 本紙はこれまで、等価交換の妥当性に疑問があることや県・前原市とA社側、つまり実際に行政サイドとやりとりしていたS社との「親密ぶり」について報じてきた。その多くは、本紙が入手した公文書など客観的な資料から明らかになった事柄である。こうした資 今後本紙は裁判と並行して、HPで公文書などの資料を公開するなど、あらためて報道の正当性を主張していく予定である。
前原リサーチパーク用地をめぐる問題で、福岡県は前所有者のA社(福岡市)に損害賠償を求める方向で最終調整に入った。この土地からは昨年、産業廃棄物の不法投棄が発覚。事前に知らなかったとされる県側は、A社の瑕疵担保責任を追及するため被害額の算定作業に入っているという。
「県は現在、賠償請求する金額を確定させる作業に入っています」。こう話すのはある県関係者だ。
料は大量にあり、これまでの記事では書き切れなかったことが多々あった。
県、賠償請求で最終調整 A社相手に 前原RP問題 [2008年9月29日08:34更新]
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損害の金額は・・!?
県環境部は知っていた
問題の徹底解明を
名誉毀損で本紙を提訴 A社 「他社の報道にも責任」と

