県知事選 麻生知事の「舎弟」当選(2)県民不在の県政継続 [2011年5月19日09:11更新]

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(11年4月号掲載)

知事選で当選した小川洋氏と支援者ら(4月10日)両党が候補者選定を進めていた段階では、評価が高くなかった小川氏。それがなぜ、最後に笑うことになったのか。 

「麻生知事の強い意向、ただそれだけですよ。小川氏は経済産業省の後輩で、先輩に当たる麻生知事の言うことなら何でも聞く『舎弟』。しかも行政・政治能力は知事よりもはるかに劣る。それは具体性がない公約や中身のない演説からも明らか。

表舞台から退いても『院政』を敷いて県政を仕切りたい麻生知事は、自分が遠隔操作しやすい人物を新知事に据えたかったんです。小川氏が麻生知事の操り人形になるのは確実でしょう」(前出記者)。 



麻生知事が5選出馬に未練たらたらだったのは周知の事実だ。また県上層部も本音では知事の続投を望んでいた(1月号既報)。

さらに長年に渡って麻生知事と“良好な関係”を築いてきた県議会にとっても「知事の舎弟に相乗り」という状況は理想的。小川氏の勝利で、これらすべての関係者の願いが叶ったわけである。

改革の気運どこへ  

東日本大震災の影響もあって今回の統一地方選は全般的に低調となった。

知事選の投票率は過去最低の41.52%。県議選では蔵内勇夫県議をはじめ、議会を実効支配し執行部とベッタリの実力者はすべて当選。無投票で決まったのは福岡市南区など46選挙区中13、計20人(定数86)に上った。 

06年の福岡市長選で民主候補が勝利したことから一気に高まった政治改革への気運。翌年の統一地方選でも同党が躍進、09年の政権交代へとつながった。

国民の期待を背負いスタートした民主政権。だがその体たらくぶりに国民の支持率は急降下、昨年の同市長選では再選を目指した現職が自公擁立候補に大敗した。 

そして今回の知事選、県議選。改革への気運はもはや消滅してしまった、結局、何をやっても政治を変える事はできない─そんな風に考えたくはない。だが目の前に突き付けられた現実の一体どこに、県民は希望を見出せばいいのだろうか。