県知事選 麻生知事の「舎弟」当選(1)県政改革道のり遠く [2011年5月18日12:30更新]

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(11年4月号掲載)

知事選で当選した小川洋氏と支援者ら(4月10日)統一地方選の前半戦は4月10日、投開票が行われた。福岡知事選では麻生渡知事が後継指名し、主だった政党や財界の支援を受けた新人の小川洋氏が、共産党推薦の新人を破って初当選した。

小川氏は今回マニフェストを作成せず、「県民幸福度日本一を目指す」と訴えたが具体性はほとんどない。そのため関係者からは「一体何をやりたいのか全然見えてこない」「麻生氏の『操り人形』になるのは確実」との声も。

その上、県議選では議会を実効支配する有力県議が全員当選。麻生知事時代からの「執行部と県議会の馴れ合い県政」、すなわち県民不在の県政が今後も続くことは間違いない。県政改革への道のりは遠い。



 

当選確実の速報がテレビで流れたのは、午後8時の投票締め切りとほぼ同時だった。

麻生太郎・元総理、武田良太・自民県連会長、松尾新吾・九電会長、そして野田国義・民主県連代表。多くの関係者が壇上に上がり、小川氏を迎え入れる(写真)

満面の笑みを浮かべた麻生知事から小川氏へ、花束が手渡された。

引き継ぎセレモニー  

「こんなものは選挙ではない、ただの引き継ぎセレモニーですよ」。あるマスコミ記者はこう吐き捨てる。 

昨年10月に麻生知事が次期選挙への不出馬を表明してから始まった民主、自民の候補者探し。小川氏は早い段階から各党に接触していたが、民主は昨秋の時点で早々に「ダメ出し」。自民では麻生元総理らが強く推したが、古賀誠衆院議員や有力県議の反発を買っていったん白紙に。紆余曲折を経て、最終的には小川氏支持に落ち着いた。 

一方の民主はあくまで独自候補擁立を模索していたが福岡市長選(昨年11月)での現職落選、愛知でのトリプル選挙惨敗(2月)で一気にトーンダウン。「相乗りやむなし」の意見が大勢を占め、小川氏支持を決めた。 

民主が当初、小川氏を候補から外した理由についてある民主県連関係者は「国政で与野党の関係にある民主と自民に同時に支援を願い出るセンスが理解できない。知事になって何をやりたいのかもまったく分からなかった」と説明する。

「まあ、最後はそんな小川氏の支持に回ったわけだから、わが党も情けないけどね」

(続く)