談合王国へ体制着々 柳川市の入札制度「改善」 [2008年5月27日09:58更新]

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(08年5月号掲載) 

柳川市役所本紙で何度か取上げてきた柳川市の「官製談合疑惑」の問題。その体制固めが着々と進行している。

4月から導入した新制度をはじめ、市の入札制度を次々と改正。関係者から「表向きだけ」「談合を助長している」との批判を受けながらも、地元の業者への「配慮」を欠かさない石田宝蔵市長に、業界からは絶賛の声が上がっている。

一方で、3月末で退職した元市職員が来年に予定されている次期市長選に出馬するとの情報が。裏にはある有力市議の「影」が見え隠れしており、多くの市民から「化粧品工場跡地など課題が山積する中、そんなことをやっている場合か」と嘆く声が漏れている。



 

新制度導入

「表向きは時代の流れに合わせているが、その実体はまったく逆行しているものですよ」。ある建設業界関係者はこう言って憤る。

先月9日に通知された、「低入札価格調査制度及び最低制限価格制度の導入」。これは、極端なダンピングを防ぎ工事の質を落とさないようにするための制度。すでに一部の自治体で導入されている。

「ですが柳川市の場合はほかの自治体とは違う」と先の関係者。低入札価格調査の対象となるのは設計金額が130万円以上の建設工事。だが、ここから土木一式工事や舗装工事などが除かれている。「実は除かれた項目の工事が数的には圧倒的に多いのです。だから、制度改革といっても表面上だけです」(関係者)。 

制度「改善」次々と

本紙は昨年9月号で「これが柳川ルール!?」と題し公共工事の落札率が異常に高いことを報じた。その後落札率はやや落ちたものの、依然として談合体質は「健在」なのが実状だ。

柳川市は06年1月から「指名理由又は入札参加資格」の欄に「その他市長が認めるもの」との一文が加えられたのは既報の通り(注=その後削除)。

また、それまでは主任技術者が複数の工事で兼任できなかったものを昨年9月から「改善」。1000万円以下の工事であれば、小規模業者でも複数の工事を請け負うことが出来るようになった。「そのためか昨年秋以降、小さな工事の発注数が驚異的に増えた」(別の業界関係者)。 

「仕上げの段階」

こうした「リーダーシップと細かな配慮、改善努力」のかいあって、関係者の市長への評価は非常に高い。「石田市長になってから元請で落札できるようになり、利益率が上がった」「工事発注数もぐんと増えた上、複数の仕事を取れるからありがたい」「調整役がうまくやってくれるので仲良く分け合えるしトラブルも減った」このような称賛の声が業界から漏れ伝わってくる。

05年に初当選した石田市長は今年の新年会などで「1期目の総仕上げの段階に入った」と自信たっぷりに語り、2期目へ意欲を見せていたという。その意味するところは、「官民が連携した談合王国」の体制固めが、着々と進んでいることに手ごたえを感じている-ということではないだろうか。 

元市職員、市長選出馬? 有力市議の「影」も・・

「昨年度末で退職したある市職員が『次の市長選に出ます』と言って挨拶に回ってますよ」。こう話すのはある柳川市民である。同市では来春に市長選を控えている。前述の通り、石田市長は再選に意欲的。その対立候補として、すでに名乗りを挙げている者がいるというのだ。

「この元市職員は、ある有力市議らと非常に近い。彼のバックにはそうした市議が付いているのは間違いない」(ある市関係者)。市議会ではいわゆる「反市長派」が多数を占めているのが現状。「その一部が現職への対抗馬として担ぎ上げるようだ」(同)。 

P社化粧品工場跡地現在、柳川市には問題・課題が山積している。これまで再三報じてきた旧大和町のP社化粧品工場跡地問題をはじめ、漁業団地問題筑紫町の市営駐車場問題など、数え上げればきりがない。

そのいずれも、議会のチェック機能不足・責任追及の甘さから、石田市長ら執行部からノラリクラリとかわされ、解決を遅らせていると言っていい。

例えば工場跡地問題にしても、本紙はすでに「調停という密室の中で、市が負担する形で決着させるのが狙い」と指摘。だが、議会での追及は進まず事実上、指をくわえて見ているだけ。このままでは結局、後処理費用を市民が負担させられる可能性が高い。

「今のひどい状態の半分は議会のせい。こそこそと対立候補を立てるようなまねをする前に、市議としてやるべきことがあるはずだ」(ある市民)。怒りの声も、もっともである。

まずは議会で、市民の付託に応えるべく議員としての責任を果たすのが先決だと思うが・・。