(08年1月号掲載) 一方、本紙既報の「未公開株売買に県議が関与」が一部関係者に波紋を呼んでいる。日トレ社が破たんすれば、さまざまな事実が飛び出すことが予想され、県議会を巻き込んだスキャンダルに発展する可能性も。今後の推移が注目される。 「まだこんなたわ言を・・」「久山町での実現は100%ない」。文書を読んだ同町関係者や地権者会の幹部らは、一様に顔をしかめた。 日トレ社が株主に送った、プロジェクトの現状を説明する文書「MECプロジェクトの進捗状況のご報告」(昨年12月14日付)は (1)同社は今年3月を期限に久山町にテーマパーク予定地の取りまとめを依頼。町側とは考え方の違いはあるものの、地権者に働き掛けて交渉を続けている (2)昨年11月の「地権者会が解散した」とのマスコミ報道についても、実際には会の名称変更であり現在も存続している―などとする内容だった。 だが同町幹部は「取りまとめの依頼はあったが、一部におかしな部分があったので突き返した。その後は何の連絡もなく、正式な依頼と認識していない。日トレ社も昨年11月末以降はほとんど顔を見せてない」 地権者会の幹部も「解散決定後には町議会でも誘致の断念が正式に合意されており、パラマウントに期待している人はいない。株主に『うまくいっている』と説明せざるをえないほど、追い込まれているのだろう」とにべもない。 「この案件は不法占拠であり、刑事告発をしてもいいくらい悪質。こんな会社が社会から信用されるはずがない」。建物明け渡しの裁判で、原告「九電工ネットプロデュース」(福岡市)の代理人を務める弁護士は声を荒げた。 問題になっている「ビッグエア福岡」(博多区)は、1999年11月、NKK(現JFE)の造雪技術を用いた九州唯一の屋内スノーボード場としてオープン。日トレ社が、建物を所有する第3セクター「サン・ピア博多」から借りる形で運営し、スノーボード人気もあって一時、話題にもなった。 しかし05年9月のサン・ピア経営破綻をきっかけに混乱が発生。民事再生手続きの中で、施設は九電工が隣接するベイサイドプレイスと一括して買収したが、日トレ社は破綻と同時に月約100万円の賃料の支払いを止めてしまったのだ。 裁判の争点は、この施設の所有権だ。九電工の100%子会社であるネットプロデュースは「買収の時点で同社に所有権が移っており、サン・ピアとの間で正式な契約を交わしている」と主張。日トレ社は「サン・ピアが破綻する前に、わが社にも所有権があるという合意ができていた」と反論。裁判では日トレ社が主張する「合意」の中身が争われているという。 同社は現在も賃料を支払っておらず、いわば貴重な「収入源」になっているのは周知の事実。「家賃を払わないんだから、そりゃあ儲かるよねぇ」と前出の代理人は皮肉交じりに話す。 九電工は、日トレ社の大株主の1つ。普通であれば裁判沙汰になる前の話し合いで折り合いがつきそうなものだが、そうはならないところが同社の「体質」を物語っていると言える。 本紙は前号で「日トレ社の未公開株を、ある県議から無理やり買わされた」とする企業経営者の証言を掲載した。この記事が波紋を呼んでいるというのだ。 現在、野党の中でも有力者として知られるこの県議は、日トレ社と県の「パイプ役」として計画に関与。山崎社長と一緒に中洲を飲み歩く姿が何度も目撃されるなど、その「蜜月ぶり」は既報の通りだ。 日トレ社が「地元対策」と称して多くの県議に接触していたのは公然の秘密である。「共産党を除くほとんどの政党の議員に接触し金をばら撒いていた」(議会関係者)との証言もある。 04年9月の県議会。質問に立った自民党のある議員は、ずばり「パラマウント」の名前を挙げ、日トレ社を「単独で数年に渡り苦労をしてここまでこぎつけた、まさにベンチャー企業」と持ち上げた。その上で、麻生渡知事に対し「理解と期待の発言やコメントがあってしかるべき」「積極的な取り組みを求めておきます」と述べている。 未公開株の売買をはじめとする日トレ社の資金集めとその使い道の実態は、今のところ闇に包まれている。だがいったん事実が噴出すると、多くの県議を巻き込んだ一大スキャンダルに発展する可能性もある。 会社存続の危機を迎えている日トレ社。その行方を、冷や汗をかきながら見つめている先生方がおられることだろう。
久山町へのテーマパーク誘致が事実上頓挫した、日本トレイド(福岡市博多区)。昨年末には株主に対して「計画は続行中」との文書を送ったが、同町関係者は「山崎和則社長は大嘘つき」と完全否定。また、事実上同社唯一の収入源である屋内スノーボード場をめぐり、施設の所有者が建物の明け渡しを求めている裁判が進行中で、社の存続すら「風前の灯火」の状態だ。
(写真=テーマパーク予定地だった山林)
「一部関係者の間ではかなり話題になってました。まだ水面下の状態ですけどね」。そう話すのはあるマスコミの県政担当記者だ。
(写真=福岡県議会棟)
日本トレイド 存続は風前の灯火 [2008年1月24日08:56更新]
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呆れる町関係者、地権者会幹部ら
これは不法占拠だ
社の体質を象徴
県議の先生方も冷や汗!? スキャンダルに発展の可能性も

