久留米の弁護士 鹿県の処分場計画を批判(2)討論会の開催要請へ [2009年12月16日14:35更新]

タグで検索→ |

noimage

(09年11月号掲載)

鹿児島県庁(同市鴨池)鹿児島県(写真)の管理型産廃処分場建設計画について、久留米の馬奈木弁護士が指摘する様々な問題点のうち、主なものは次の3つである。

(1)予定地に湧水地が数十カ所あること

「地下水に汚染物質が流れ込まないよう対策を取る必要があり、そのためには湧水の実態調査・掌握は絶対条件。県にはぜひその結果を公表してほしい。

そもそも湧水地が多数ある場所にこのような施設は造ってはならない、というのが常識なのですが」(同弁護士)

(2)地層構造を完璧に把握しているのか

「予定地の地盤が一枚岩でない場合、不等沈下が起こる可能性が高い。県側は『漏れないようにする』と言うのだろうが、それにしたって地盤構造をきっちりと示した上で対策を出してほしい。

どうせ把握してないんでしょうけどね」(同)



(3)排水処理の問題は?

「管理型という施設の性質上、廃棄物に触れた水をどう排水するのかが常に問題となる。『国の基準に適合させて処理する』と言っても、実験室の中と現場とは違う。本当にできるんですかねえ?」(同)

裁判起こすまでもなく  

「こうした条件は国が定めた基準に沿ったもの。現地を徹底的に調査し、厳しい課題をクリアした計画を作って初めて住民に建設の是非を問うことができる」。馬奈木弁護士はこう語る。 

「お隣りの熊本県では水俣市での施設建設計画をきっかけに、国の基準を遵守することを知事自らが明確に打ち出した。それに比べ鹿児島は県民の生命や環境を守るという意識が著しく低い。民間業者はだめだが県が主体の事業ならずさんな調査・計画でもいい、ということなんでしょうかね」 

同弁護士は「計画が発表された段階で、問題点についての公開討論会の開催を反対派住民が県に求める予定です。どうせ答えられるわけがないし、簡単に中止に追い込める。あれこれ言ったり逃げたりしたら、その時は裁判を起こすことになる」と話している。

県、知事と地元業界、土地所有者の関係は!?  

今秋にも出来上がるとされていた基本計画は、近く正式に発表される見込み。地元の激しい反発・批判は避けられない情勢の中、担当者はさぞ苦労したことだろう。 

「最終的には伊藤知事の判断で決まった」(県担当者)という建設予定地。だが不透明な選考経緯やお粗末な事前調査を見る限り今回の計画は、民間所有の採石場跡地を県が処分場建設名目で買い上げることこそが、本当の目的なのではないか─こう指摘せざるをえない。  




予定地の採石場跡地を所有する「ガイアテック」(薩摩川内市)は、地元建設会社「植村組」(鹿児島市)の関連会社。植村組社長は同県港湾漁港建設協会会長を務めており、地元建設業界の実力者の1人である。

折しも11月5日、鹿児島県発注の海上工事の入札で談合が繰り返されていたとして、公正取引委員会が建設会社など30数社に立ち入り検査を行った。 

発注者である県と建設・土木業界との関係についても、公取委などの当局が重大な関心を寄せているのは間違いない。

本紙は2月号で「(この問題は)伊藤県政のあり方を正面から問うものになる」と述べた。場合によっては近い将来、面白い展開が見られるかもしれない。