別府市長選 4選の現職・浜田氏(1)会見で他候補応援の市民恫喝 [2011年6月1日13:09更新]

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(11年5月号掲載)

別府市役所4月24日投開票の大分県別府市長選は、現職の浜田博氏が4選を果たした。

だがその浜田氏を支援するため、市役所職員らが法律で禁じられている政治活動・選挙運動を組織ぐるみで行っていた疑惑が浮上。さらに浜田氏は当選直後の記者会見で他の候補者を支援した別府まつり振興会関係者を「恫喝」、一部市民の反発を呼んでいる。

本紙既報の大型商業施設誘致ゴミ処理施設業務に絡む問題と合わせ、行く手に暗雲がたれこめる浜田市政、そしてそんな市長を支持した市民。

一連の取材を通じて浮かび上がったのは、全国有数の温泉観光地として知られる別府市の真の姿─こう言うほかない。 



 

現職と新人2人による三つどもえの争いとなった別府市長選は、2万8298票を獲得した浜田氏がわずか1420票差で勝利した。その浜田氏が耳を疑うような発言を行ったのは、投開票翌日に行われた記者会見でのことだった。

「卑劣極まりない」  

毎日新聞(4月26日付)によると浜田氏は、東日本大震災以降自粛が相次いだイベントを「そろそろ解禁すべき」とし、「別府夏の宵まつりの実施主体のリーダー(実行委員長)が残念ながら選挙で相手陣営に回った以上、まつりをまかせるわけにはいかない。実施する団体の在り方も考えたい」と語ったという。 

選挙で自分の応援をしなかった、だから罰として祭りはお前にやらせない-。記者会見という公の場で行われた、1市民を恫喝するかのような市長の発言。長い間取材してきたが、このような例はかつて聞いたことがない。 

発言が報じられた日の夕方、実行委員長の自宅を観光協会専務理事(元市職員、ゆめタウン誘致時の商工課長)が訪れ「市長は良い人で正直な方、つい本音が出ただけ。だから許してほしい」などと説明したという。

その後同専務理事は28日、事態収拾のための方策として「市長と食事会を開く」「(振興会の)総会には出席しないでほしい。私が退任の文章を書いて代読する」などと提案したが実行委員長は拒否。5月2日の総会に出席し自ら辞任を申し出て受理された。 

前実行委員長は取材に対し「市長には実行委員長の任命権はないが、まつり振興会の役員は市から助成を受けている団体や市の関係機関から選出されているためその影響力は大きい。それを分かった上でこのような発言をする浜田氏は卑劣極まりない。このような市政には一切、協力したくない」と怒りを隠さない。

(続く)