柳川市議会で調査費含む予算案否決 P社問題「時間稼ぎ」の指摘も [2009年3月18日10:14更新]

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閉鎖されたままのP社工場柳川市政の混乱を招いた大きな原因の1つ、P社化粧品工場跡地(写真)の問題。市は昨年12月、ようやく賠償請求を求める方針を固めた。 

だが市議会は「賠償額を調べるため」などとして市が計上、提出した補正予算案を反対多数で否決した。

反対した市議らは「賠償額を算出するのになぜあらためて予算が必要なのか」などと主張。さらに、市側がすでに金額を明示してP社に賠償請求していたことも明らかになった。

一方の石田宝蔵市長は「(損害賠償請求は)これまで市議が言って来たことなのになぜ反対するのか」と怒りをあらわにした。

問題は結局、4月の市長選以降に持ち越されることになった。



期間は長すぎ 費用も多すぎ

市が調査費用として計上したのは約350万円。期間は約3カ月を見込んでいた。

だがある専門家は「費用や期間はそんなに必要ない」と指摘。一部の関係者や市議から「選挙までの単なる時間稼ぎ」との指摘が出ている。 

まず期間の問題。アスベスト専門業者によると、P社工場ほどの規模ならば試料採取に2日、分析に10日で「計2週間もあれば十分」という。 

また費用についても業者は「報告書作成まで含めて100万円もかからない、70~80万円が相場」と話す。こうした不可解な点は調べればすぐに分かるのだが、地元大手紙などは市の発表をそのまま報じただけだ。 

賠償額は昨年判明!? 存在しないはずの文書が・・   

「損害賠償の金額として1億2000万円が算定されている」。12月1日に開かれた全員協議会(全協)である市議が文書を掲げてこう指摘すると、出席者は騒然となった。 石田市長名で書かれた、「ご通知」と題する文書(昨年12月21日付)。アスベストと産廃の撤去費用として計約1億2400万円をP社に求める内容だ。

大泉勝利副市長は最初「その金額はP社が調停で持ち出したもの」と説明した。だが調停が始まったのは今年の春以降。昨年末の段階で、「調停で持ち出した」などということがありうるはずもなく、大泉副市長の発言は明白な虚偽答弁である。

さすがにこの程度のウソではごまかしきれないと思ったのか、大泉副市長は直後に「その数字を実際にはじいたのは私」と前言を撤回した。

本紙はすでに、昨年の段階で大泉副市長がアスベスト専門業者に秘密裏に接触していることを報じている。自分がはじいた」と答えてしまえば、業者に接触して「勉強」していたことを認めることになりかねない。そのため、とっさに白々しいウソを述べたのだろう。お気持ちはよく理解できますよ、大泉副市長。

 

とにかく、昨年末の時点ですでに金額や内訳など詳細が判明しているにもかかわらず、市は何のために「再調査」をしようとしているのか。それも、3カ月もかけて。 

「市長選の争点となるのを避けるため、賠償請求の意思を示して時間を稼ぐのが本当の狙い、としか言いようがない」(ある市議)。

問題をすり替え 議会は肝心な点を追及せず  

この文書は昨年末、柳川市側がP社に渡したとされる。一部の市民がこの文書を公開するよう求めた際、市は今年8月、「不存在」と回答していた。それが存在しただけでも、情報公開制度を根本から揺るがす大問題のはずだ。  

だが全協では、石田市長によって文書の入手先の問題にすり替えられ、重要な点は追及されないまま。

ある市民は「なぜ議会は問題の本質を厳しく問えないのか。レベルが低すぎる」とため息まじりに語った。

結局先送りされることになったP社問題。解決の遅れは市側の不可解な対応だけでなく、議会の責任でもある-と言いほかないだろう。

★本稿は08年12月号掲載記事にその後の議会の動きなどを加筆・修正したものです