(08年12月号掲載) 例えば「移転に関わる土地代、建設費、設備費などは誰が負担するのか」。こう問われると医師や患者家族を含めほとんどの人が「市が負担するのでは」と答えるが、実は原則としてすべて独立法人(独法)化した新こども病院が負担する。つまり新病院は最初から少なくとも約140億円の借金を背負ってスタートするわけだ。 正確な情報は伝えられず、市の経営見通しは極めて曖昧。将来新病院が破綻する可能性は高い、と言うほかない。 「それは当然、市が負担するのでしょう?違うんですか?」。筆者が複数の医師に土地取得費、建設費など移転に関わる費用の負担者について問うと、1人の例外もなくこう答えた。 また人工島への移転に反対する患者家族の会、佐野寿子代表も「少なくとも土地代については市が持つのではないですか」 だが、事実は違う。「土地代や建設費の一部、設備にかかる費用などはいったんは市が起債して支払いますが、その分はすべて独立法人が返済していくことになります」。市の担当者はこう明言する。 こうした計画を説明すると多くの医師は「まさか・・。それはひどい」と絶句。佐野代表は「ほとんどの患者さんらは知らないと思います」とため息をついた。問題に関心がある人たちですらこうなのだ。そうでない多くの市民が、知っているはずもないだろう。 福岡市の計画ではまず2010年度にこども病院を独法化。11年度から建設工事を開始、13年度の開院を目指す。市が9月議会に提案し可決された、土地取得のための費用は約47億円。そのほか建物建設費約100億円、医療機器・備品費約36億円など、病院移転に必要な初期投資費用を計186億円と算出している。 市の担当者は「そのうち約136億円は独法が負担します」と語る。 (続く)
福岡市の人工島(東区)への移転をめぐって揺れる市立こども病院(中央区、写真)。一部には「もはや収束の時期では」との声も出始めているが、いまだに多くの重要な事実が市民に知らされていないのが現状だ。
移転費用 新病院に丸投げ(1)福岡市は立て替えるだけ [2009年1月13日11:41更新]
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「まさか・・」と絶句
巨額の借金 背負って船出

