(09年2月号掲載) このような事態を招いた議会の罪は極めて重大と言うほかない。 暴行や発砲事件といった「分かりやすい悪」についてだけ大きく取り上げるマスコミの責任も大きい。一部民放などはまるで田中氏の問題で初めて議会が混乱したかのように報じている。だが混乱自体は石田市長就任以来、ずっと続いていることだ。 一方で市政の検証・問題提起の報道はこれまでほとんどない。 こうした状況を踏まえ、柳川市政が抱える問題についてあらためて指摘したい。 本紙が柳川市政について報じるきっかけとなったのは旧大和町時代、当時の石田町長が購入したP社工場跡地の問題だった。だがこれはあくまで1例にすぎない。一貫して指摘してきたのは特定の業界や企業、個人と密接な関係を保ち、彼らへの便宜供与以外の何物でもない施策ばかりを進める、現市政の実態である。 また石田市長は、議会という公の場で、その場しのぎの言い訳や明白な虚偽答弁を続けてきた。こうした姿勢は議会、そして市民を愚弄するものである。 確かに合併浄化槽の設置など、議会の反対で進まない政策はある。だが本紙が取り上げた多くの施策─漁業団地、市営駐車場、入札制度の問題など─は、ほぼノーチェックで議会を通っている。 一方、P社問題など重要な事案についての議会側の追及は、市長の答弁にやすやすとかわされてきたのが実情ではないか。だからこそ、本紙は現市政を批判しながらも反市長派議員を支持したことは一度もない。むしろ「市政停滞の事実上の共犯者」と述べてきた。 次期市長選で問われているのは「石田市政をこのまま続けるか否か」であり、これこそが選挙戦の唯一最大の争点と言っていい。議会の問題と混同したままでは、柳川市民は大きな過ちを犯すことになるだろう。 さて、市長選には元市職員の金子健次氏が出馬を表明、現職との一騎打ちになるとみられる。だが金子氏の支持者の間からは「市政の現状についてどう考えているのか分からない」「未来の柳川をどうしたいのか伝わってこない」と、いら立ちの声が漏れている。 金子氏が正式に出馬表明したのは昨年10月。だがいまだに「何が何でも自分が柳川を変える」という熱意がリーフレットや演説からは感じ取れない。残念ながら「元市職員」から「候補者」へ変わり切っていない。 「反現職票を集めれば勝てる」「自分のスタイルを貫き、やりたいようにやる」などと考えているのなら、今すぐ出馬を取り止めるべきだ。未来に不安を感じている多くの市民の思いを受け止めることなどできないだろうし、有権者に対して失礼である。 いずれにしても柳川市は今、大きな岐路に立たされている。市長選まで2カ月足らず、問題の本質を見誤ってはならない。選挙で問われるのは、市民の良識そのものである─と言っても過言ではないのだから。
議会の問題は市議選など別の形で問われるべきだ。にもかかわらず柳川では、市長選を間近に控えたこの時期、まるで「市政停滞の原因は、反市長派議員が多数を占める議会」とでもいうような「問題の本質のすり替え」が大々的に行われている。
不祥事・発砲事件で揺れる柳川(2)選挙で問われる柳川の良識 [2009年2月23日09:45更新]
タグで検索→ |
争点は「現市政か否か」 市長選直前、本質を見誤るな
「候補者」へと変わっていない

