九州49寺院が処分場建設反対へ(1)伝統文化をないがしろ [2009年3月4日10:11更新]

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(09年2月号掲載)

冠岳(鹿児島県)から見た処分場予定地

鹿児島県(伊藤祐一郎知事)が同県薩摩川内市に建設することを決めた産業廃棄物最終処分場をめぐり、薬師如来をまつる「九州四十九院薬師霊場会」が一致団結して建設に反対する方針を決めた。 

予定地(写真)が屈指の霊山として名高い「冠岳」の中腹にあるためで、地元の「鎮国寺」(いちき串木野市、村井宏彰山主)は「信仰の対象である霊山にふさわしい施設ではない」と主張、法的手段に訴えることも辞さない構えだ。

さらに、鎮国寺などが反対署名を募ったところ、国内外の宗教関係者らから3万を超える署名が集まるという異例の事態に。処分場建設をめぐる反対運動は“現代版宗教戦争”の様相を呈している。



鹿児島待望の施設  

鹿児島県が「産廃管理型最終処分場」の建設計画を発表したのは昨年9月。候補地の1つだった薩摩川内市の採石場跡地(約10㌶)を建設地に決定した。 

同県には産廃の最終処分場がなく、これまでは宮崎県の施設に搬入。幾度か県内での建設を検討してきたが、その度に地元の反対を受け計画断念に追い込まれてきた。それだけに、今回建設が決定した処分場は県にとっても待望の施設─と言える。 

この種の施設には環境への不安が付き物だ。そのため建設する側にはこうした問題への十分な対応や住民への説明、情報開示が求められる。予定地周辺は薩摩川内、いちき串木野両市の水源地。地元からは「水が汚染されるのでは」との声も上がっているが、県は「周辺環境に影響はない」との結論を出している。 

ところが、思わぬ所から反発の声が上がった。

日本の伝統文化、精神性に関わる   

「多くの信者の礼拝の対象となっている霊山にこのような産廃処分場を作ることは、日本の伝統文化、精神性に関わる重大な問題と考えています」。鎮国寺の村井山主はこう憤る。 

冠岳は多くの巡礼者や信者がたずねる、鹿児島でも名高い霊山だ。2200年前、秦の始皇帝の命を受けた徐福が訪れたとされる。 

村井山主の主張は明快である。

(続く)