(09年3月号掲載) また12日投開票の柳川市長選では、現職の石田宝蔵市長が暴力事件などを踏まえて前議長への批判を展開している。 こうした動きを実効性のあるものにするにはどうすればよいのか。民事介入暴力に詳しい堀内恭彦弁護士(福岡市)に話を聞いた。 ──暴力追放(暴追)運動とはどうあるべきか 市民の中から自主的に沸き上がってくるのが一番望ましい形なのは間違いありません。しかし個人レベルで変えていくのは実際には難しい。そこで、各自治体が地域の事情を踏まえて条例を制定する、というのが最も現実的でしょう。 それには罰則規定など、ある程度の強制力が必要です。暴追大会などを開いても、それだけで効果があるとは言えないでしょうね。 ──具体的には? 県の条例では、暴力団と関係がある業者を公共工事の指名から排除するよう定めています。県発注の公共工事が暴力団の資金源となるのを防ぐためです。 また県は現在、新しい条例の制定へ向け作業を進めています。福岡の実情に合わせ、暴力団へ資金を提供した側に対する罰則規定を全国で初めて設けます。 こうした毅然とした対応が各自治体にも必要でしょう。単なる努力目標、「高らかな宣言」以上の物が求められていると思います。 ──暴追は首長選挙などの政治的争点となりうるか 「暴力を容認していい」という意見は現実にはありえないのだから、もし議論を戦わせるならその具体性、実効性について述べないと意味がありません。 また、ここで言う「暴力」は、いわゆる暴力団だけが対象とは限らない。特定の団体による、何らかの威力や言動を用いた不当な要求なども含みます。つまり暴力とは、公正な行政や民主主義を阻害する要因すべて、と考えるべきでしょう。 ──暴追のために行政、市民に求められることは 先に述べた条例制定以外には、行政は市民の規範となるよう「法令遵守(コンプライアンス)」の意識をしっかり持つこと。その上で、公正で透明性の高い行政を進める。 市民も、行政のあり方をしっかりチェックする必要があります。「平和で安心な町づくり」と言うのは簡単ですが1人1人がもっと意識を高めなければ。そういった意味で、市民の責任は非常に大きいですね。 堀内恭彦 【ほりうち・やすひこ】
前市議会議長による暴力事件が発覚したり暴力団幹部を狙った発砲事件が起きた柳川市。新たに条例が制定されるなど、暴力追放の気運が高まった。
(写真=柳川市の臨時議会の様子)
1965年生、福岡県弁護士会所属
民事・刑事を問わず幅広く事件を手掛けているが、
特に企業・個人に対する不当要求対策、防衛に力を入れる
暴追運動はどうあるべきか 堀内恭彦弁護士に聞く [2009年4月10日08:52更新]
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