(09年6月号掲載) これほどの異常事態にもかかわらず、市は「こうした点を除けば市場内の業者については取引は適正、適法だった」。なぜ架空取引を始めたのかなど詳細はいまだ不明だが、市の権限は市場内に限られるため実態解明は望めない。 ある仲卸業者は「他に方法がない」として、刑事告訴を検討している。 福岡市農林水産局鮮魚市場や関係者によると、今回の取引に関わったのは中央魚市場のほか仲卸業者「喜平商店」(長浜)と「岩永鮮魚仲卸」(同)、そして市場外の鮮魚卸業者A社(中央区港)、同B社(同区舞鶴)など(下図参照)。 取引が始まったのは07年6月。喜平商店が中央魚市場から冷凍マグロを仕入れ、それをA社に販売する形でスタート。同10月には新たにB社が、また08年4月からは岩永仲卸も取引に加わった。 ところがマグロの取引量が急増し、市場関係者から「架空取引ではないか」との声が上がり、同10月に市が調査。そこで初めて販売先と仕入れ先が同じA、B社であることが分かった。 市は中央魚市場に対して「おかしいのでは」と指摘。仕入れ先を別の業者にしたが、実質的にはB社との取引が続いたという。 今年3月、B社からの支払いがストップし取引は破綻。B社から喜平商店に対して約6億円、同じく岩永仲卸に対して2億円あまりの売掛金が未払いとなった。また、仲卸2社から中央魚市場に対する売掛金の未払いは約2億4000万円。合計10億数千万円が回収不能の状態となっている。 2年弱続いた取引で、中央魚市場から仲卸業者へ販売した冷凍マグロの総額は計約42億円に上るという。 だが市農水局は「市場内業者である中央魚市場と仲卸2社については取引そのものは法的に適正だった」。これほど多額の未収金が発生するという〝異常事態〟となっているにもかかわらず「問題はなかった」と結論付けたのだ。 今回の架空取引を取り仕切ったのは、喜平商店の社員(当時)X氏と鮮魚卸業者B社と考えて間違いないだろう。 (続く)
先月号で本紙が報じた、中央卸売市場(福岡市長浜)を舞台とする冷凍マグロ架空取引疑惑。この取引の結果、「福岡中央魚市場」(金丸直之社長)や仲卸業者の間で計10億円を超える売掛金が回収不能となっていることが、福岡市の調査などで分かった。
異常事態にも市は「適正だった」(1)架空取引で未収金10億円超 [2009年7月6日09:04更新]
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取引総額は42億円
市場外には福岡市の権限及ばず

