鹿児島の産廃処分場予定地選定(1)報告・会議録存在せず [2009年9月2日11:11更新]

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(09年7月号掲載)

冠岳から見た処分場予定地鹿児島県(伊藤祐一郎知事)が同県薩摩川内市に建設を計画している産業廃棄物最終処分場の問題で、複数の候補地から1カ所に絞り込む際に根拠となるはずの現地報告書や選定をめぐる会議録が、まったく存在しないことが分かった。

同県は「候補地については県職員が調べ地図に書き込んだりしたため、報告書などは存在しない。また会議もしていないので当然その記録もない」と説明。建設地を決める最大の根拠となったのは、土地所有企業自身が作成した報告書という。

建設に反対する地元住民からは「最初から結論ありきだったのではないか」との声が上がっており、選定過程のあり方があらためて問われそうだ。
(写真=冠岳から見た処分場予定地) 



 

鹿児島県などによると、県が本格的な候補地選定に乗り出したのは06年5月。対策協議会を設置し各市町村に呼び掛けて候補地を募り、最終的に県内29カ所に関する情報が集まった。 

07年2月の県議会で伊藤知事は「現在調査を進めており、来年度の早い時期には候補地を選定、公表する」と答弁。その後4カ所に絞り込まれ、最終的に薩摩川内市の川永野地区にある採石場跡地が候補地に決定。同年5月、正式発表された。 

県はその後、立地可能性などの調査を行い、今年4月には基本計画と基本設計を同じ民間コンサルタント会社に一括発注、今秋にも出来上がる見通しだ。

情報公開求めたが・・  

建設計画をめぐっては、候補地が屈指の霊山として名高い「冠岳」の中腹にあるために「鎮国寺」(いちき串木野市、村井宏彰山主)をはじめとする九州四十九院薬師霊場会が「信仰の対象である霊山にふさわしい施設ではない」と反対している。 

また同地区周辺が水源地に当たることから「河川や地下水が汚染されるのでは」として一部の地元住民から不安の声が上がり反対運動に発展。発表が突然だったことで関係者からは「なぜここなのか」といぶかる声も漏れている。 

 

では、この採石場跡地を選んだ理由は何なのか。29カ所から1カ所に絞り込んだ根拠は何か、どのような検討過程があったのか。 

処分場に関わる立案、場所の選定・決定にいたる会議録。県職員あるいは民間会社からの調査報告書。これらについて情報公開条例に基づき鹿児島県に開示を求めた。すると、「当該文書は存在しません」との答えが返ってきた。 

結局入手できたのは、29カ所の敷地面積やアクセスの利便性などについて○△Xで示した「調査結果」、最後に残った4カ所について同様の項目を挙げて調査内容を示した「概要書」。それらに書かれた内容についての根拠やデータ、あるいは内部で討議した文書などは存在しないというのである。

(続く)