(09年7月号掲載) こう説明するのは鹿児島県(写真)廃棄物・リサイクル対策課だ。「この場所を選んだ理由の1つになっているのは、ガイアテック社が出した適地調査などに関する報告書です」 「ガイアテック」(薩摩川内市)は地元の建設会社「植村組」(鹿児島市)の関連会社で予定地の所有者。「元々この場所で同社が処分場建設を計画しており、県側に相談があった」。それは06年5月のこと。県が本格的な選定に乗り出した時期と一致する。 「ここは面積的には問題があったものの、ガ社の計画では上部を屋根で覆う形になっており、また漏水の問題もクリアできると判断した」(同課)。民間会社が独自に調べ計画した内容が、そのまま県の選定の根拠になったというのだ。 県はガ社が調査を行うに際し「検討の段階から調査の進め方、技術的な指導、先進地の紹介などをした」という。また地元の薩摩川内市長がガ社の調査を知ったのは同年8月。知事を訪れた際に「企業が調査している」と聞いたのが初めてだったという。伊藤知事が複数の候補地から絞り込むことを明らかにしたのはこの翌年のことだ。 こうした事実を総合すると、29カ所から選ぶとしながらも水面下では、選定を始めた前後から、ガ社の計画を県が引き受けることを前提に話が進められていたのではないか─こう考えれば、他の候補地について詳細な報告書などが存在しないこと、会議すら行われていないことも説明がつく。 他の場所の調査は、複数から選んだと取り繕うための「アリバイ作り」だった─むしろ、こう言ってしまった方がいいかもしれない。 なお、建設に反対する住民の多くは環境に対する不安を挙げているが、これに対して県は当初、ガ社の調査結果を使って「問題ない」と説明していた。 一方、鎮国寺などの霊場会の主張に対しては「宗教性は一切考慮していないしその必要もない」と話している。 県は、採石場跡地を候補地と決めて立地可能性等調査を実施し、その後整備地に格上げした。県が多額の予算を使い詳細な調査を行ったのはここだけである。 鎮国寺によると、08年8月に同寺を訪れた県幹部らはこの調査について「知事が整備候補地は1カ所でいいと言った。最初から1カ所と決めていた」と説明したという。1つしかない整備候補地を県が調査した結果が「問題あり」「不適格」となるはずもない。 地元住民に対する県側の説明は今後も続くだろう。だが住民はまず最初に、これまで述べてきたような整備地選考過程の実態を把握し、その上で県の説明内容について判断するべきだ。さもなければ、地元の未来に大きな禍根を残すことになりかねない。
「最初に挙がった29カ所については県職員が現地を調べ、結果は地図に落とし込んだりした。また会議もしていないから、会議録が存在するはずもない」
鹿児島の産廃処分場予定地選定(2)「複数から」はアリバイ作り? [2009年9月4日10:44更新]
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「まず結論ありき」で選定作業?
1カ所だけでいい

