前原の行政区長が選挙運動? 市長らの後援会に勧誘 本人は否定 [2009年8月25日10:07更新]

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(09年8月号掲載)

前原市役所前原市から任命された行政区長が、区長会などの公の会合で、地元選出の国会議員や県議、さらに前原市長の後援会に入るよう住民に働き掛けていた疑いがあることが、複数の関係者の証言で分かった。この区長は市の選挙管理委員も務めている。

区長による勧誘行為は、06年から少なくとも2年あまりに渡り続いたという。同市行政区設置規則によると、区長は非常勤特別公務員に該当。

こうした活動は公職選挙法違反の可能性があるが、区長は本紙の取材に対し「自分はそのようなことはしていない」と話している。 



 

関係者の証言によると、この区長はある校区の区長会代表で、市長や政治家の後援会への勧誘活動を始めたのは06年ごろ。

同10月25日、同校区の定例区長会で「市長から自分の後援会を作ってほしいと頼まれている。協力してほしい」と、出席した区長に求めた。この時、あらかじめ市長後援会に関する資料が配付されていたという。書記役を務めた公民館関係者は「この後援会のことは議事録に書けない」として退席した。 

また同12月13日、同じく定例区長会で、代表区長から「市長、地元選出国会議員・県議の後援会に入ってほしい」と要請があった。ほかの区長からは「このようなことを区長会でやるのはおかしい。ましてあなたは選挙管理委員、指導する立場ではないか」との声も上がったが無視されたという。 

後援会への勧誘行為は少なくとも08年ごろまで続いたという。同年1月5日には集会所に同校区の区長8人が集められ、国会議員秘書や県議本人らが同席した上で代表区長が「市長、国会議員、県議の後援会を一本化したい。その上でぜひ皆さんに参加してほしい」と述べた。また議員らのパーティー券も売られたという。 

同年9月18日の定例区長会では、国会議員の名前を挙げて「今回の選挙で落ちることがあったら、今後どうなるか分からない。皆さん、落ちんようにお願いします」と挨拶。この場には前原市職員数名も出席していたが、発言を注意することはなかったという。 

 

公選法では、公務員などがその地位を利用して選挙運動などを行うことを禁じている。この区長は「勧誘などはしていない」と話すが、非常勤特別公務員である区長が勧誘行為をしていれば、同法で禁じられている「公務員の地位を利用して後援団体の構成員となることを勧誘すること」に該当する疑いがある。 

ある関係者は「3つの後援会を一本化する話など1人で勝手にできることではなく、市長や議員側と事前に話し合って勧誘していたのではないか」と指摘。また別の関係者は「公務員と同じ扱いの区長が、市長や保守系議員の集票マシーンとして選挙に利用されているのが実態。違法行為が長年黙認されている」と嘆く。 

前原市には9つの小学校区があり、それぞれがさらにいくつかの区に分けられている。各区の地元住民の中から1人が区長に選ばれ、地域の課題の解決や行政に対する要望、提案を行うなど、住民のまとめ役・世話役を担っている。 

前原市長は05年の選挙で初当選を果たした。