大川の「厄介者」のこくずを燃料に(2)現場職員にあふれる充実感 [2009年10月5日14:17更新]

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(09年9月号掲載)

職員手作りの装置が乗せられたのこくず収集車家具の街・大川市で近く本格稼働する、のこくずを燃料とする新システム。木工所にとって厄介者であるのこくずを利用、これまで燃料として使ってきた重油を節約でき、さらにはCO2(二酸化炭素)の排出量も低減するという一石二鳥にも三鳥にもなる画期的な技術である。

この技術が現実のものとなった背景には、方針を決めた植木光治・大川市長のリーダシップとこれに応えるべく努力した現場職員の存在がある。いわゆる「トップダウン型」で成果を上げた好例と言えるだろう。



市長が方針決める  

「のこくずの有効利用は元々、最初の選挙時(05年)の公約に掲げたものです」。こう話すのは2期目を迎えたばかりの植木市長だ。「いくつか検討したがどれも今一つ。筑水園で代替燃料に利用する案は手応えがあったのですが、重油の高騰という事情も重なり、それならばこれで行こう、と」 

植木市長はかつて福岡市役所に勤務、主に環境分野の仕事に携わってきた。「方向性は私が決めましたが、私の指示に対して現場の職員が一生懸命に取り組み、存分に応えてくれた」 

筑水園ではかつて市職員OBが幹部を務めていたが「ややぬるま湯的な状況も見受けられたので、プロパーに交替した。すると『自分の施設、自分の仕事』という意識からか、職場の雰囲気が変わるという効果があったようです。ほめるなら現場の職員をほめてほしい」

職員らの充実感  

「市長からの要求は非常に厳しいものでしたが、機械のメーカーさんとも協議を重ね、満足のいく物を作ることができたと自負しています」。同組合の堤起男事務局長はこう語る。 

例えば、のこくずの収集車に取り付けた装置(写真)。吸引時に飛散するのを防ぐため、職員らが知恵を絞って完成させた。ドラム缶を使用するなど“手作り感”一杯だが、民間業者が感心するほどの出来栄えという。「これだけ頑張っても給料は今までと同じ」。そう言って笑う職員らの表情は、言葉とは裏腹に充実感にあふれていた。 

「事業を始める際、近隣住民からの反対などはなかった。情報開示と誠実な対応に努めた成果でしょうが、実にありがたかった。また木工所側からも感謝されるし、本当に嬉しい」(組合職員)。

廃棄物の有効利用、経費の節約、温室効果ガスの排出量削減。かつての厄介者を「宝の山」にする新発想。「のこくずを燃料とする技術は様々な事業に応用することが可能。大川を『エコ先進都市』にできると、今後の活用に期待しています」