ついに政権交代が実現(2)保守のピラミッド構図に変化も [2009年10月21日12:42更新]

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(09年9月号掲載)

麻生渡知事と古賀誠氏が写ったポスター国会議員─首長─議会─地元有力企業・団体。この、自民国会議員をトップとするピラミッド型の構図の中に地方の首長・議会も取り込まれ、利権を分け合い選挙を助け合うシステムとして長年機能してきた。

このシステムの中にいる限り、議員・首長たちは選挙の際に一定の票を得られ、その座は安泰。その典型例と言えるのが、麻生渡知事だろう。 

 

07年の県知事選で4選を目指して出馬した現職の麻生知事に対し、民主は新人の稲富修二氏を擁立した。

前年の福岡市長選、そして直前の北九州市長選では相次いで民主推薦候補が勝利。県内では激しい「反自民」の風が吹き荒れていた。 



この状況に危機感を抱いた麻生陣営では、できるだけ政党色を薄めようと、自民党の名は一貫して表に出さない戦術を取り「県民党」なる看板を掲げた。

だがその実態は、自民党を支持する農政連などの団体や企業に丸乗りする典型的な「保守型選挙」だったのは周知の事実。勝利を収めた後、麻生知事は各団体などの会合にこまめに顔を出し、お礼とお詫び行脚に明け暮れていた。 

「道路族のドン」こと自民・古賀誠氏と一緒に、にっこり微笑む麻生渡知事(写真)。5月、古賀氏の地盤である7区(大牟田市、柳川市など)のあちらこちらに、こんなポスターが張られていた。今秋に開かれるという講演会の案内だが、総選挙の公示を迎える直前、すべて撤去された。

民主党の躍進が構図変える  

こうした構図も、民主国会議員が大幅に勢力を伸ばした現在、「存亡の危機」を迎えている。古賀誠氏の地元、7区のある首長側近はこう話す。「今回は多くの首長が、表向き古賀氏を応援した。だがこれからはそうもいかないでしょう」

選挙では古賀氏が勝利したものの、対抗馬の民主・野田国義氏も比例で復活当選を果たした。そのため7区には2人の現職国会議員が居並ぶことになったからだ。 

古賀氏にぶつける切り札として民主が擁立した野田氏。厳しい選挙戦が予想された古賀氏は比例区との重複立候補を辞退し背水の陣を敷いたが、そんな古賀氏に対して何とか比例名簿に名前を載せるよう、区内の首長らが説得を試みた。自民国会議員と地元の首長とがいかに密接な関係にあるかを如実に示す例である。

「今後は有権者の目もあるし、どちらか一方だけを応援するというわけには行かない。自分たちの選挙も、保守票に丸乗りする形ではできなくなるでしょうし結局、いかに地元行政で成果を上げるかがポイントになる」(前出の首長側近)。

地元国会議員の顔ぶれが変わり、かつての利権構造までもが変わらざるをえなくなったことは間違いない。

(続く)