こども病院PFI事業縮小の裏側(1)批判噴出も自民市議団 結局賛成 [2009年11月16日15:55更新]

タグで検索→ |

noimage

09年10月号掲載)

福岡市立こども病院(中央区唐人町)福岡市立こども病院の移転問題に絡み、施設の整備や運営に採用するPFI方式導入の対象となる業務を大幅に縮小する議案が、同市9月議会で可決された。

経費の削減効果を下方修正するこの議案に対し、議会の各会派からは「今になってなぜ」「市側の説明や根拠が不十分」といった批判が噴出、最大会派の自民党市議団からも反対意見が出るような状況だった。

多くの議員が疑問視しながらも結局議会を通った背景にあるのは何なのか。関係者は「自分たちの支持者らにPFI事業へ参加させた方が得策との思惑が、一部のベテラン自民市議にあった」と指摘する。

一体誰のための病院移転、PFI方式導入なのか─。   



 

福岡市によると、PFI方式導入の見直し計画は、これまでの導入対象業務案から医療機器の保守管理、医療事務、洗濯・ベッド管理、消毒滅菌などをはずし、施設建設など計8業務に絞り込む内容。 

これに伴い、「約30年間で約85億円」としてきた経費の削減効果を「約15年間で約17億円」に下方修正。関連議案としてPFII採用期間(17年4カ月)の事業費を173億9千万円とする債務負担行為を9月議会に提出、可決された。 

PFIは、経費の削減やサービスの質の向上などを図るため、民間の資金やノウハウを活用する方式のこと。福岡市は早い段階から人工島移転後の新病院運営にPFI方式を導入する方針を公表。

だが、病院PFIについては近江八幡市の病院が経営難に陥るなど全国で失敗や契約解除の例が相次いでいることから、福岡市は今年5月、導入する業務を見直すことを明らかにしていた。 

福岡市は「2014年3月の開院予定に影響はない。今回除外された業務はどうなるのかという点については、あらゆる可能性を検討し、開院までの早い時期に決める」としている。

財政効果は大幅減  

こども病院の人工島移転について福岡市は、市財政が厳しい状況にあることを踏まえ「土地取得などの経費が安くすむ」など、経済的なメリットを主な利点として挙げていた。

これに加え、PFI方式で民間資金を導入することで、さらに財政負担を減らせるとして計画を進めてきた。

それが、事業者選定直前の今になって導入業務を縮小し、その結果一挙に財政的な効果が減少したわけである。 

(続く)