久留米の弁護士 鹿県の処分場計画を批判(1)「お粗末な調査内容」と [2009年12月14日10:55更新]

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(09年11月号掲載)

鹿児島県が計画する処分場予定地鹿児島県(伊藤祐一郎知事)が同県薩摩川内市に建設を予定している産廃最終処分場。この計画をめぐり本紙は、地元住民や宗教関係者から反対の声が上がっていることを報じたが、今度は環境問題や行政訴訟に詳しい久留米の弁護士から「鹿児島県の調査・計画はずさんの一言。裁判を起こすまでもなく中止に追い込めるほど低レベル」との批判が出ている。

反対派住民側は基本計画の発表に合わせて公開討論会を開催するよう県に求める方針で、その対応によっては提訴に踏み切ると見られる。

県民の安全や環境への配慮が欠けていると言うほかない鹿児島県、そして伊藤知事の姿勢が公の場で問われるのは必至の情勢だ。  



 

鹿児島県の悲願であった産廃管理型最終処分場の建設計画を同県が発表したのは昨年9月。薩摩川内市の採石場跡地(約10ha、写真上、地図参照)を予定地として決めた。 

ところがその場所が霊山として名高い冠岳の中腹にあるため、「鎮国寺」(同県いちき串木野市、村井宏彰山主)をはじめ九州7県の49寺院で構成する「九州四十九院薬師霊場会」が猛反発。また水源地でもあることから、周辺住民からも「なぜここなのか」と疑問の声が上がっていた(2月号既報)。 

その後、複数の候補地から1カ所に絞り込む際に根拠となるはずの現地報告書や選定をめぐる会議録が、まったく存在しないことが本紙取材で発覚。

同県は「候補地については県職員が調べ地図に書き込んだりしたため、報告書などは存在しない。会議もしていないのでその記録もない」と説明、地元の反発はさらに強まっている(7月号既報)

知事、県が知らないはずない  

「私は鹿児島県鹿屋市であった民間業者による産廃処分場建設をめぐる訴訟に関わっていました。06年の福岡高裁宮崎支部判決で建設差し止めとなったのですが、裁判所は処分場建設の許可基準について非常に厳しい判断を示した」 

こう語るのは、地元反対派住民から依頼を受けている「久留米第一法律事務所」の馬奈木昭雄弁護士。水俣病や諫早湾干拓など数々の行政訴訟に携わり、産廃施設・環境問題をめぐるトラブルにも詳しい、その道のエキスパートである。 

判決では、管理型最終処分場を建設するに当たっては廃棄物の流出や地下水の汚染を防ぐための厳しい条件を挙げ、業者の計画はそれらに適合していないと結論付けた。

「この判決内容を処分場建設の許認可権者である鹿児島県、そして伊藤知事が知らないはずがない。ですから今回、県が出したあまりにずさんな事前調査・建設計画には、率直に言って呆れましたね」

(続く)