鮮魚市場架空取引疑惑 未払金求めて提訴(1)「実態解明へ第1歩」 [2009年12月18日12:29更新]

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(09年11月号掲載)

市場会館(福岡市・長浜鮮魚市場)福岡市長浜の鮮魚市場(写真=市場会館)で発覚した冷凍マグロ架空取引疑惑に絡み、仲卸業者「岩永鮮魚仲卸」(中央区長浜)がこのほど、鮮魚卸業者「ながよし」(同区舞鶴)を相手取り、未払い代金計約2億円のうち500万円の支払いを求める訴訟を福岡地裁に起こした。

岩永仲卸の代理人は「この提訴はあくまで実態解明のための第一歩。資金の流れなどを明らかにした上で『福岡中央魚市場』(長浜、橋本清実社長)などに対し、あらためて訴訟を起こす方針」としている。

本紙報道で発覚した不正取引疑惑は、法廷へと舞台を移すことになった。



不当利得返還請求を視野に    

訴えによると、岩永仲卸は昨年4月ごろ、ながよしと冷凍マグロの継続的な売買契約を結んだ。仲介したのは同じく仲卸業者の「喜平商店」社員(当時)のX氏。岩永仲卸はX氏の指示によって福岡中央魚市場からマグロを仕入れ、そのままながよしに売却して手数料を得ていた(図参照)。 

岩永仲卸側は今年3月、仕入れたマグロを約1億300万円でながよしに卸した。だが代金は一部しか支払われず、4000万円が未払いとなっている。今回はこのうちの500万円の支払いを求め提訴した。 

岩永仲卸の代理人は「現状では架空取引の実態や金の流れについて不透明な部分がある。とりあえず裁判の中で実態解明を図るのが先決と考え、合計約2億円に上るながよしの未払い金の一部を請求する形で訴訟を起こした。事実が明らかになれば、中央魚市場などを相手に不当利得返還請求を起こす」としている。 

これに対し、ながよしの代理人は本紙取材に「現段階ではコメントできない」としている。     

本紙報道で表面化  

鮮魚市場を指導監督する立場にある福岡市や関係者の証言によると、一連の取引は中央魚市場、仲卸業者、鮮魚卸業者の間で07年6月ごろから始まった。そのほとんどが同じマグロを3者間で移動させる「循環取引」、商品がないのに伝票上だけで現金をやり取りする「架空取引」だったという。 

この取引を始めて以降、各社の売上とマグロの取扱量は短期間で急増し、市場内から「福岡でマグロの取扱量がこんなに増えるのはおかしい」と疑念の声が上がる事態に。このため福岡市は昨年10月、関係者から事情を聴くなどして調査した。

その際、中央魚市場の仕入れ先と仲卸業者の売却先がながよしなど同じ市場外の業者であることが分かり、是正するよう求めた。だが中央魚市場などは別の会社の名義を借り、それまでと同様の取引を続けた。 

(続く)