民主県連体制刷新 真の狙いは?(1)幹事長S県議はずしが目的か [2010年1月5日09:40更新]

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(09年12月号掲載)

挨拶する古賀一成・新県連会長09年夏の衆院選で与党となった民主党。事業仕分けや沖縄の基地問題が大きく報じられるなど、どのような舵取りを行うか依然、国民の注目度は高い。

そんな中、民主党福岡県連はこのほど、古賀一成衆院議員を会長とする新体制をスタートさせた。前会長の松本龍衆院議員が辞任を表明したことを受けたもので、福岡・北九州両市長選での推薦候補勝利など、民主躍進の立役者とされるS県議も幹事長を辞任、新幹事長には吉村敏男県議が就任した。

先の衆院選で国会議員が大幅に増えたことなどから一見、体制刷新も当然と思われるが、県連内外からは「事実上のS県議はずしだ」との指摘が上がっている。

幹部交代劇の裏にある、真の狙いとは─。   



 

09年12月7日、福岡市内のホテルで開かれた民主県連の政治パーティー。新体制発足後、初めて開かれた大イベントには、過去最多となる約1800人(県連発表)が訪れるという盛況ぶりだった。 

冒頭、古賀新会長が挨拶(写真)。その後、初出席した九州経済連合会の松尾新吾会長や福岡商工連盟の河部浩幸会長が来賓として登壇。「与党になったんだな、と実感した」(ある党関係者)。

松本会長 突然の辞任表明  

「寝耳に水で驚いた。まったく予想してなかった」。松本氏の県連会長辞任表明について、ある民主代議士はこう話す。 

松本氏が辞任を表明したのは11月7日、県商工会議所連合会との懇談会席上でのこと。突然の出来事に多くの関係者が驚きを隠さなかった。さらにその直後、民主県連関係者の間を「S幹事長(当時)も辞任する」との情報が駆けめぐった。 

あるマスコミ記者はこう語る。「福岡選出の衆院議員は以前はわずか3人。それが新人を含め出馬した全員が当選し10人の大所帯となった。確かに松本氏は、県連会長としての役割を果たし1つの節目を迎えたと言えるでしょう。ですが会長辞任の狙いはもっと別の所にあると考えるべきです」

選挙戦連勝でわが世の春を謳歌  

では真の狙いとは何か。

「それはずばり、幹事長だったS県議に引導を渡すこと。おれが辞めるからお前も辞めろ、というメッセージですよ」(前出マスコミ記者) 

 

S県議が一躍注目されたのは06年11月の福岡市長選である。

一部の反対を押し切って同県議が擁立に動き民主の推薦を得た吉田宏氏が「現職が圧倒的有利」との事前予想を覆し初当選。また、翌07年2月の北九州市長選では元民主党衆院議員、北橋健治氏が勝利した。 

(続く)