長浜市場 冷蔵庫整備事業やり直し(1)でたらめな要綱が原因 [2010年1月12日12:10更新]

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(09年12月号掲載)

市場会館(福岡市・長浜鮮魚市場)本紙が報じた長浜・鮮魚市場の新西冷蔵庫整備事業の問題で福岡市は今月、「選考過程は適正だったが、情報開示に関して公平性が欠けていた」などとして、選ばれた事業者と契約せず、入札をやり直す方針を明らかにした(HP既報)

市農林水産局は本紙取材に対し「基本ルールとなる公募要綱の内容が極めてずさんだったことが原因」とした上で、選考は適正と結論付けた理由も「要綱に不備があったから」と説明している。

一方で、なぜこのようなでたらめな要綱になったのか、事前にチェックできなかったのかは曖昧なまま。市場を監督・指導する立場の福岡市。だが担当者の質はあまりに低い-と言わざるをえない。
(写真=長浜の市場会館)



局長が謝罪会見  

市農水局が会見し事業やり直しの方針を明らかにしたのは12月2日。記者会見した谷口芳満局長は「JV(共同企業体)や市民におわびしたい」と謝罪した。 

冷蔵庫整備事業は、鮮魚市場周辺道路の拡幅に伴い西冷蔵庫を移転するのが目的。2012年までに冷蔵庫を新設、古い冷蔵庫を解体する予定だった。  

事業者の選定についてはプロポーザル方式(公募した複数の業者に企画提案を提出させ、内容を審査し最も優れた者と契約する)が採られ今年7月、参加した5JVの中から八千代建設(福岡市)のJVが選ばれた。 

ところがその直後から関係者の間で「選考過程が不公正だったのでは」との声が上がり、匿名文書が市に送り付けられるなどの騒ぎに。また本紙が8月号で八千代JVが要綱に抵触した疑いを指摘、このため市は9月議会への契約議案提案を見送り、関係者から事情を聴くなど調査していた。

「情報開示で不公平が生じた」  

農水局総務課の説明では、市から現冷蔵施設を借り受けて運営している企業が昨年、S設計事務所に委託して独自に新冷蔵施設の構想図面を作成した。この図面を、八千代JVの大高建設(福岡市)がプロポーザル以前に第3者を通じ入手し、提案書作成に活用した。 

S社は移転整備事業の基本仕様作成も市から請け負ったため、市も同じ図面を入手していたが全JVに情報開示せず放置していた。そのため結果的に、プロポーザル開始時点で不公平が生じ、八千代JVが有利な状況になったという。 

その上で、各JVが選考委員と接触するなどの公募要綱違反は確認できなかったとし「情報開示について不公平が生じた点は問題だったが、選考過程は適正で要綱に抵触する行為もなかった」と結論付けた。

担当者は当初「事実なら即、失格」

市側の説明を普通に聞けば、構想図面を市が参加した全JVに公表しなかったことが問題-と受け取れる。ところが本紙が総務課に取材すると、まったく違う側面が浮かび上がってきた。

事業を担当しているのは鮮魚市場整備担当。本紙は09年8月、八千代建設トップが「(提案書作成に関して)S社を使っていた」と証言したことを踏まえ同整備担当に取材した。 

(続く)