大川の家具業界に学ぶ(2)厳しい時代こそ絶好のチャンス [2010年1月28日11:17更新]

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(09年12月号掲載)

関家具のショールームカラフルな外装の建物が並ぶ交差点、看板には「大川家具街道」の文字。すべて「今業界で最も勢いがある」(地元記者)という「関家具」(同市幡保、同社HP)のショールームである(写真)。 

「1968年にスタートした時は私1人。営業から集金まですべてやった。それが今や160人を超える従業員を抱えるようになりました」と話すのは関文彦社長。メディアにも多く登場、業界でも数少ない立志伝中の人物である。 

国内外から安価で質の高い家具を仕入れて卸す。自社でいくつものブランドを立ち上げるなど時代を先取りし、ファブレス(工場を持たない)メーカーとして確固たる地位を築いた。



「それでもこれまではいわば基礎段階。これからですよ」。来春には初の自社工場も稼働する。

「一昔前は優秀な人材を求めても相手にされなかった。今では多くの若い人がうちに来てくれる。厳しいと言われる今こそ、絶好のチャンスなんです」

行政は支援体制の見直しを

大川市インテリア課によると、最盛期(1991年)には600を数えた家具製造業者は現在約140。「見方を変えれば、競争に勝つ力がある業者が残ったとも言える」(ある経営者)。 

今回取材した各社は業態もコンセプトも様々。だが共通するのは、顧客のニーズを的確に把握することに腐心している点だ。多様な好みのどこを狙うか。同時に「これだけは譲れない」という経営者としての「芯」をも感じることができた。 

 

そんな経営者たちも家具業界の未来に対する危機感は強い。そのため大川市などの行政側に対して「展示会開催に補助金─といった発想はもはや時代遅れ」「技術継承のために公立の学校・訓練所を」といった厳しい意見、要望が相次いだ。

また「自社の利益追求だけではなく、社会全体へ向けてもっと広い視野を持たなければ」「環境への配慮など、社会貢献にも取り組むべき」という声もあった。

業界活性化には行政との連携・協力体制の見直しはもちろん、各社が得た利益やノウハウを、業態の垣根を越えていかに業界全体、そして社会に還元していくか─といった発想も不可欠ではないだろうか。

 

これあまでの支援のあり方を抜本的に見直し、福岡を代表する地場産業としてさらなる発展を目指すため、行政に求められることとは何か。それを考えるにはまず、経営現場からの忌憚のない意見・要望-特に若い経営者からの-を吸い上げる場を設けることから始めてはいかがか。