高速道路SA・PA「管理会社が私物化」(2)無料化で「おいしい利権」!? [2010年3月10日11:41更新]

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(10年2月号掲載)

NEXCO西日本SHDのあるビル(大阪市)道路公団民営化と同時に、一部のファミリー企業を取り込み民間会社として再スタートした「クレッセ」(福岡市博多区)など3社を、再び子会社化しようとしている「西日本高速道路サービス・ホールディングス(NEXCO西日本SHD、大阪市=写真)。

ではなぜ今、子会社化なのか。クレッセ、ハープス幹部は「高速道路利用料の無料化をにらみSA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)に絡む利権を独占するための体制作りが狙いではないか」と口をそろえる。   



09年3月の休日特別割引(地方高速上限1000円)開始以降、高速道路の利用者が増加。これに比例してSA、PAで営業する各店の売上も上昇、テナント各社からSHDに支払われる営業料は今年度上半期で約20%も伸びたという。 

クレッセ、ハープス幹部は「無料化が進めばさらに売上アップが望める。それを見越して、今のうちに管理体制を再構築しようとしているのではないか」と指摘する(下図参照)

高速道路SA・PA管理の概略図

別会社設立 SA・PA売上や販売商品の一元管理狙う? 

「こうした見方を裏付ける動きがある」。こう話すのはあるSHD関係者だ。

「SHDは、昨年末に設立された『パスティ』(福岡市中央区)という会社に出資しています。ここにSA、PAの運営をコントロールする機能を持たせようとしている」 

SHDの内部資料によると、パスティは通販事業やマーケティング力強化のために設立され、SHDとコンサルタント契約を結んでいる。「SHDは、売上や商品管理を行うポスシステムを新しく導入するようテナント各社に求める方針で、これを一元管理するのがパスティの役割となるようです」(前出SHD関係者)。 

テナント各社は現在、平均して売上の約16%を営業料として支払っているという。「新システムの導入は、各店舗の売上を正確に把握し、テナントサポートの名目で販売商品選定などに介入できるようにするのが狙いでしょう」(同)。

再契約ほしさに口閉ざす民間業者たち  

SHDに対して反感を持つテナントは3社以外にもあるものの、なかなか表面化しないという。

「今のテナント契約は来年度でいったん切れる。厳しい不況の中、民間企業にとってSA、PAは今後も売上増が見込める貴重な存在です。だからSHDとの再契約が最優先─そんな雰囲気がまん延している」(ハープス幹部)。 

こうした状況を生みだした要因は何か。別のSHD関係者は「民営化によって国交省などがチェックできなくなったから」と指摘する。

ハープス幹部は「高速道路やSA、PAは税金によって作られた施設。これらの利権をめぐって今何が起きているのか、多くの利用者に知ってほしい」と訴えている。 

 

SHD広報室は、クレッセに特定の商品を扱うよう求めたことは「契約に基づいた提案や指導で、お客様満足度向上のため。法規制には抵触しないと認識している」。

また3社の子会社化については「経営上の重要事項であるためコメントできない」としている。