(10年7月号掲載) また、破産した仲卸業者2社の未払い金計約2億4000万円の回収がほぼ絶望的な上、裁判所の判断によっては今後、相当額の不当利得を2社に返還しなければならない事態もありえる。 中央魚市場は05年に農水省から経営改善措置命令を受けているが、現状では改善は難しいとの声も。 60年あまりの歴史を誇る老舗卸売業者は今、重大な岐路に立たされている。 6月に開かれた福岡中央魚市場の株主総会。10年3月期売上が前期を約66億円下回る約165億円に止まり、約5000万円の赤字となることが明らかにされた。 来年3月期も今年並みの売上を予想しているが「今期に入って年商12億円を上げていた養殖物の取り扱いから『利益が出ない』として撤退しており、減収は避けられないのではないか」(市場関係者)。 さらに、非常勤取締役を務めていた前社長(昨年9月辞任)と、マグロ取引を担当していた取締役がいずれも辞任。「正式な理由は明らかにしていませんが誰もが架空取引の一件が原因だと考えています」(同)。 本紙報道によって表面化した冷凍マグロ架空取引疑惑。関わったのは福岡中央魚市場のほか、仲卸業者「喜平商店」と「岩永鮮魚仲卸」(いずれも中央区長浜)、市場外の鮮魚卸業者である「ながよし」(同区舞鶴)など。 関係者の証言を総合すると、一連の架空取引が始まったのは07年5月ごろ(下図参照)。 喜平商店社員(当時)のX氏らが主導し、同商店が中央魚市場から冷凍マグロを仕入れA社などに販売する形で取引を始めた。そのほとんどが3者の間で同じ商品をぐるぐる循環させる、あるいは帳簿上だけの架空取引だった。数字上は売上・利益ともに上昇を続けたが09年3月に取引は破綻。最終的な取引総額は約42億円に上った。 10年3月期売上減の理由について中央魚市場は、中国での魚需要の高まりから博多漁港へ入港する中国船が激減したことのほか、マグロの取引から完全に撤退したことを挙げているという。 中央魚市場は08年3月期で約222億円、09年3月期で約230億円の売上を計上したがこの一部は架空取引によるものであり、それがなくなったことが大幅な減収の一因というわけである。 (続く)
冷凍マグロの架空取引をめぐって揺れる「福岡中央魚市場」(福岡市中央区長浜、橋本清実社長)が厳しい経営状況に陥っている。先月行われた株主総会では、担当役員らが辞任したことや、今年3月期の売上が前期より大幅に減少し赤字へ転落したことが明らかに。
岐路に立つ福岡中央魚市場(1)赤字に転落 担当役員ら2人辞任 [2010年8月9日09:12更新]
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マグロ取引から完全撤退 売上大幅に減少

