民主県連 代表交代劇の内幕(1)実態は事実上の更迭 [2011年1月11日09:17更新]

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(10年12月号掲載)

民主党県連大会で挨拶する新県連代表の野田国義氏(10年11月27日)昨年11月の福岡市長選で推薦した現職が惨敗した民主党。同党福岡県連の新代表にこのほど、野田国義衆院議員が就任した。

前代表の古賀一成衆院議員は市長選敗北の責任を取って辞意を表明、全員一致で新代表を決めたとされるが、それはあくまで表向きにすぎない。

昨年秋の発足直後から燻っていた古賀執行部に対する県連内の不満が爆発した、いわばクーデターというのが実態で、「古賀氏は政治生命の危機だ」と見る関係者も。

一方、来春の統一地方選での躍進が至上命題となる新執行部に、辣腕で知られる元県連幹事長S県議が「再登板」。菅内閣の不人気などで低迷する現状からの巻き返しを目論むが─。



「これで一安心だ」    

「いばらの道だが、市民が主役の政治を実現するため真剣勝負で取り組んでいきたい」

11月27日、福岡市内で開かれた民主県連大会。野田氏は代表就任の挨拶でこう語った(写真)。 

念願の政権交代を果たしながらも支持率の低迷が続く民主政権。地方選挙でも各地で敗北が続き、多くの識者やマスコミは国政における民主の体たらくぶりが影響したと指摘している。 

だがある民主国会議員はこう語る。「国政の影響はもちろんあるが、少なくとも福岡については、選挙の戦い方を知らない古賀執行部の責任としか言いようがない」

昨年の衆院選以降、首長選や県議補選で連敗が続いた民主福岡県連。「反対する声の方が多かったのに、現職推薦を主張して譲らない市議団を抑えられず、挙げ句の果てに惨敗した福岡市長選はその典型だ」(同国会議員) 

県連大会1週間前の20日に開かれた常任幹事会(常幹)。古賀氏は市長選敗北の責任を取って自ら代表辞任を表明、後任に野田氏が選ばれた─と報道された。 

「それはあくまで表向きだけ。実態はまさに“反執行部派”によるにクーデター。これまでたまった不満がついに爆発した」。こう話すのはある民主関係者である。「とにかく一安心。やっと挙党態勢が組める」

(続く)