高島市長の英断望みたいが・・ こども病院移転問題 [2011年3月4日11:19更新]

タグで検索→ |

noimage

(11年2月号掲載)

福岡市立こども病院(中央区唐人町)市立こども病院の移転先を人工島(東区)に決めた理由として、福岡市や同病院関係者、自公・民主などの市議は真っ先に、現病院が老朽化して手狭になり、治療に支障を来していることを挙げる。

だがそれは、病院の移転・新設の理由ではあっても「なぜ人工島でなくてはならないのか」という問いへの答えにはなっていない。 

市が試算した数字で疑問符が付くのは現地建て替え費用の試算だけではない。例えば、独立法人化し移転した後の新病院運営の事業収支を試算する際、市は病床利用率90%、1日の外来患者数420人と非現実的な前提条件を設定、その上で「将来的な経営に問題はない」

たとえ数字をごまかしてでも、何が何でも人工島。市の姿勢は一貫している。 



こうしたことなどから本紙はこれまで、「人工島へのこども病院移転の真の目的は、なかなか売却が進まない同島の土地を市が一定面積、病院用地名目で買い上げることにある」と指摘してきた。 

 

別稿で述べた通り、調査委が決定過程に問題ありと結論付ける、あるいは指摘する可能性は高い。その場合、最終判断は高島市長に委ねられるわけだが、現実的には「人工島への移転は中止。現地建て替えなど別の案を検討」とするのは難しいだろう。 

まず、市がすでに取得した人工島の土地が問題だ。病院新設を目的に購入しながらそれを取り消せば、利用方法が白紙となった広大な土地だけが残り、市政に新たな課題が生じることになる。

またこれまで移転へ向けて進めて来た事務方の仕事はすべてむだとなり、新病院開業はさらに先送りされる。加えて、いったん市議会で決定した事案を市長がひっくり返すことになるのだから、市議からの激しい反発も予想される。 

 

一方で、調査委が問題ありと指摘したにもかかわらず「やっぱり人工島に移転します」となれば、高島市長に対して「検証は単なるパフォーマンス、反対派のガス抜きだったのか」との批判は避けられない。

それでも、通常の行政判断という観点から考えれば、こども病院の人工島移転が覆ることはまずありえない─こう言うほかない。 

本紙としてはこの予想が外れ、高島市長が「英断」を下すことを望みたいが・・。 

 

ところで今回の検証作業について、市議会の反応がまったく伝わって来ない。議決済みの事案を外部の人間に検証させた上、場合によっては覆ることもありうるのだから、「高島市長は議会を軽視しているのではないか」との批判があってしかるべきなのだが。 

理由をいくつか考えてみた。

(1)今さら何をやっても人工島移転は中止できない、どうせ追認する結果になるだけだ、と高をくくっている

(2)すでに狙い通り、人工島の土地を市が購入したのだから、病院の移転先がどこになろうがもはや関係ない

(3)市議選が近いので、市民から反発を買うような言動は避けたい

(4)そもそも関心がない 

調査委が予定通り進めば高島市長の最終判断は4月に予定される市議選前後になる可能性もある。その前に、市民の皆さんにはぜひ、この問題と検証作業についどう考えるのか、候補者に問い質していただきたいものである。