揺れる大分・別府(2)業務委託仲介で地元企業から多額の現金 [2011年3月8日11:44更新]

タグで検索→ |

noimage

(11年2月号掲載)

大型商業施設「ゆめタウン別府」複数の関係者の証言を総合すると、ゆめタウンなどを展開するスーパーマーケットチェーン「イズミ」(広島市)グループの商業施設の管理運営は、関連会社「イズミテクノ」(08年にイデオから社名変更)が引き受けている。

「ゆめタウン別府」(写真)に関してもメンテナンスなどの施設管理や廃棄物処分、警備といった関連事業は、イズミテクノが地元企業と契約を結び、業務を委託した。 

「その際、ある仲介者がイデオ(当時)と地元企業の間を取り持ち、紹介料名目で多額の現金などを受け取った」。関連事業の委託契約を結んだ、大分県内のある企業Q社の関係者はこう語る。 



この関係者によると、仲介者は別府市内の有限会社X社の社長で、07年夏ごろに初めて会った。

X社長は「イデオにQ社を紹介する」とした上で、契約が成立した時は

(1)紹介料数百万円を支払うこと

(2)Q社がイデオから受け取る売上(委託料)の一部をX社に毎月支払うこと

(3)X社の社員をQ社で採用すること

などと要求したという。 

イデオと契約したQ社はX社長の申し出を検討した結果、紹介料については支払うことにし、X社長と覚え書きを結んだ上で要求通り数百万円を渡した。

Q社はこのほかにも、交渉を円滑に進めるためにX社長に適宜、数万~数十万円の現金を渡していたという。

登記簿によるとX社は04年設立、労働者派遣事業や職業紹介などを行っている。

「浜田市長が絶対信頼できると紹介」!? 

「ゆめタウン別府の関連事業は複数の地元企業に委託されているが、わが社と同様、X社長に金を支払っているようだ。だから同社長は今回の仲介で相当額の金を受け取っている。中には社長の親族を自社で採用した企業もある」。

Q社関係者はこう証言する。 

大企業などが進出する時に仲介者が地元企業との間を取り持つことは決して珍しい話ではない。また、あくまで民間企業同士が合意して契約を結んでいる以上、本紙としては仲介人の存在や契約内容についてどうこう言うつもりはない。 

だが「X社長は浜田博市長と極めて近い関係であることを、常にアピールしていた」(Q社関係者)となれば話は別である。

「ことあるごとに『市長とは奥さんを含め家族ぐるみの付き合いをしている』『イズミ側幹部と会食した際、市長は私を絶対信頼できる男だと紹介した』と話していた。だから最初は怪しいと思いながらも信用せざるをえなかった」(同)。 

(続く)