(11年3月号掲載) 仕方なく、06年末から翌07年にかけて数回に渡り、現金や手形など計910万円を兼武氏側に渡した。 「その後返却を求めたが、そのたびに『必ず返す』という念書や借用書を何枚も書いた(写真)。でもそれだけ。返す気が最初からないのだから、念書など何の役にも立たない」 怒りの収まらないWさんは九電に電話して監査役N氏(同研究所社長は06年2月に退任)を捕まえた。「事情を話すと、『忙しいから後でかけ直す』と切られた。それ以降、何の連絡もない」 警察には何度も出向いた。「最初は『これは完全な詐欺』と話していた熊本北署捜査員は『自己破産しなさい。あなた達のようにだまされた人が自己破産したって誰も何も言わん、そのためにこの制度がある』。予想もしなかった言葉に、妻は悔し涙を流しました。 また福岡県警中央署にも行ったが『兼武氏が金を返すと言っているのなら、詐欺罪にはならない』。そんな言い訳が通用するならこの世に詐欺など存在しない、あなた方の言う詐欺罪とは一体何なのか、と問うても何も答えなかった」 Wさんには計5000万円あまりの負債だけが残り、今もすべてを返し切れていない。K建設はWさん親子2人で何とか営業を続けているが、民事訴訟を起こす金銭的余裕はない。Z建設は事実上の倒産状態という。 Wさんはこうため息をつく。「悪い者は罰せられる、警察は被害者の味方─こう信じて疑わなかった自分が情けない。私がバカだったと言われればそれまで。それでも、兼武氏が今もあの調子で動き回っていると思うと、怒りで夜も眠れない」 Wさんによると、兼武氏は現在、東京を拠点に活動。高級ホテル・レストランに出没し「金をだまし取ったのではない、向こうから『使って下さい』と持って来たのだ」「警察が私を逮捕できるわけがない」などと周囲に吹聴しているという。
この問題が解決しないうちに、兼武氏はZ建設関係者を通じ「今、病院買収の話が進んでいる。これが成功すれば工事をK建設に回せる。ついてはその活動資金を貸してほしい」とWさんに持ち掛けた。
悔やんでも悔やみ切れない(3)捜査関係者の言葉に涙 [2011年4月21日13:45更新]
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