悔やんでも悔やみ切れない(2)「元JR九州会長だから・・」 [2011年4月20日13:52更新]

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(11年3月号掲載)

有名企業関係者の名前が並んだ都市再生研究所のパンフレット「パンフレットに書かれた都市再生研究所(福岡市中央区)の幹部は立派な経歴の方々ばかりで驚いた(写真)。兼武宏光氏は『うちの会長が元JR九州会長だから今回の再開発事業を任された』と話しているというので、それで信用することにしました」

その直後、Wさんは福岡の同研究所事務所で兼武氏に会った。「天神の素晴らしいビルに豪勢な社長室。われわれのような田舎の業者とはやっぱり違うと感心した」 

Z建設からの工事金4300万円は未払いのままだったが、Wさんが金融機関や親戚などからかき集めて調達、取引先への代金に充てた。「とりあえず自分が借金して立て替え、再開発事業の工事金が入った時に返せばいいと思ったのです」



すでに他社が落札  

だがこの判断が、取り返しのつかない事態を招く。 

Wさんは06年6月ごろ、小倉北区の現場をZ建設関係者らと2回視察。ところが工事はなかなか始まらない。

不安になったWさんは「だまされたのではないか」と熊本県警北署に相談、そこで事実を知る。「同年10月ごろ、ある捜査員から『この工事はすでに別の会社が落札している』と教えられた」 

調べてみると、再開発事業は05年7月にコンペが行われ、名古屋市の遊興施設運営会社が落札。都市再生研究所は、大手建築リース会社と停止条件付業務委託契約を結びコンペに参加したが落札できなかった。

「兼武氏はこの時の契約書を使って業務提携しているよう装い、あたかもJRの下請けであるかのように見せ掛けていたわけです」 

WさんやZ建設関係者らは兼武氏に詰め寄った。「彼は『その工事は自分が発注したものではない。間違いなく別に工事がある』と説明した」

しかし兼武氏の言う工事が始まることはなかった。いつの間にか操車場再開発は終わり、跡地には遊興施設が誕生していた。

(続く)